理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 353
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骨・関節系理学療法
NexGen LPS-Flex型人工膝関節術後屈曲角度における理学療法士間比較
*高山 正伸長嶺 隆二
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抄録
【目的】当院における人工膝関節置換術の理学療法はクリニカルパスに従って進められる。しかし,各訓練項目とりわけ関節可動域運動の方法は標準化されておらず,それぞれの理学療法士により異なっている。著者は第39回日本理学療法学術大会において過度の痛みを伴わない方法を用いて短期間で良好な屈曲角度を獲得したことを報告した。この研究の目的は,担当する理学療法士によって深屈曲人工膝関節置換術における術後屈曲角度に違いがあるか,また著者の成績が他の理学療法士の成績と比べ有意に良好であるかを検討することである。
【方法】当院において2001年5月から2002年12月までに行ったNexGen LPS-Flex型人工膝関節置換術64例70膝を対象とした。平均年齢は72.7歳(51~88歳)で,女性59例65膝,男性5例5膝であった。原因疾患は変形性関節症51膝,関節リウマチ16膝,大腿骨内顆骨壊死3膝であった。術後理学療法は著者を含む14名の理学療法士が担当した。膝屈曲角度の計測は関節可動域運動前あるいは運動後数時間経過した状態で医師が行った。計測時期は術前と術後1ヶ月とした。統計処理は統計ソフトStatView5.0を使用し,分散分析を行った。Post-hocテストにはDunnett法とを用いた。
【結果】著者以外の理学療法士が担当した症例の術後1ヶ月の屈曲角度は114.3±13.4度であった。一方,著者のそれは130.5±9.2度で最も優れた成績であった。分散分析の結果,術前屈曲角度には各理学療法士間に有意差は認められなかったが,術後1ヶ月の屈曲角度には有意水準0.38%で有意差が認められた。著者を対照群としてDunnett法を行うと,著者と著者を除く13名中4名の理学療法士との間に有意差を認めた。この4名の術後屈曲角度は109.3±14.1度であった。
【考察】人工膝関節の術後屈曲角度に影響を及ぼす因子として,人工関節機種,術前屈曲角度,術後リハビリテーションなどが報告されている。今回使用した機種はすべて深屈曲が可能なNexGen LPS-Flexであり,また術前屈曲角度も理学療法士間に有意差を認めなかった。しかし術後1ヶ月の屈曲角度には理学療法士間に有意差を認めた。著者の関節可動域運動の方法は,術後早期は1時間のCPMのみで全域獲得以降,患者自身による30~45分の自動介助運動を1日2~3回行うというもので,過度の痛みを伴わない方法である。古典的な理学療法士による痛みを伴う他動運動を行わなかったことと長時間関節可動域運動を行ったことが良好な結果をもたらしたと考えられる。
【まとめ】NexGen LPS-Flex型人工膝関節術後1ヶ月の膝屈曲角度に理学療法士間で有意差を認めた。関節可動域運動の強度と時間が関係していると考えられる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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