理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 404
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骨・関節系理学療法
人工膝関節全置換術患者のQuadriceps Settingにおける膝周囲筋の経時的変化について
*二橋 佳代荒巻 さと美杉浦 武中村 和美高仲 理江横田 美由紀澤木 美香岸川 倫子松井 俊明岡田 芳郎
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抄録
【はじめに】人工膝関節全置換術(以下TKA)患者におけるQuadriceps Setting(以下QS)の筋電図に関する研究は数多く報告されている。しかし術前後の筋活動の推移についての報告は散見する程度である。そこで、TKA患者におけるQS時の膝関節周囲筋活動の経時的変化を筋電図学的に検討したので報告する。

【対象と方法】対象は当院でTKAを施行した17名19膝(女性16名男性1名、年齢69.5±11.3歳)。方法は表面筋電図を用いて、術前、術後1週、2週、3週の膝関節周囲筋の筋活動を測定した。被験筋は内側広筋(以下VM)、外側広筋(以下VL)、半腱様筋(以下SD)、大腿二頭筋長頭(以下CL)とし、測定肢位は長座位でのQS(以下長座位)、立位でのQS(以下立位)とした。術前長座位の最大収縮における積分値(以下MVC)を100%とし、測定肢位における各筋の積分値を%MVCとした。また、疼痛強度をVisual analog scale(以下VAS)を用いて評価した。統計処理は分散分析を用い有意水準は5%とした。

【結果】術後1週目・2週目・3週目の平均%MVCの経過を示す。VM;長座位において118.7±155.4・150.9±177・131.3±137、立位では97.3±90.3・125.8±92.1・146.8±162.7であった。VL;長座位において92±85.1・231.9±381・143.8±205.3、立位では60.2±68・147.8±134・137.1±140.1であった。SD;長座位において63.2±48.2・99.1±106.4・93.9±96.8、立位では122.2±163.9・211.5±328.2・278.4±775.2であった。CL;長座位において60.4±67.4・101.8±115.5・94.2±107.6、立位では62.7±70.2・80.2±72.6・112.7±181であった。VM、VLにおいて長座位は術後1週目より上昇を示したのに対し、立位は術後1週目に低下し2週目より上昇する経過であった。しかしながら、各筋の%MVCの推移に有意差はみられず、症例によって様々な経過を示していた。VASは術後1週でピークとなり、立位でより高値を示した。

【考察】VM、VL%MVCにおいて立位が長座位よりも低値を示したのは、術後早期では立位のVASが高値であり、痛みにより一時的に筋活動が抑制されたためと考えた。しかし、個人における経過は様々であり、筋活動の回復過程には個人差があると示唆された。TKA施行患者は術前からの膝の変形に伴う軟部組織の変性や筋萎縮の程度が様々であり、痛みや経過が長期間であるほど、術後関節構造が入れ替わっても筋活動が改善しにくいものと考える。そのため、筋活動の推移は術前のアライメントや筋力、痛みなどの影響を受けると推察される。
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© 2005 日本理学療法士協会
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