理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 405
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骨・関節系理学療法
変形性膝関節症における前額面での術前LaxityがTKA術後に及ぼす影響
*木賀 洋石井 義則松田 芳和高橋 賢石井 亮
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抄録
【目的】
人工膝関節置換術(以下;TKA)において,術前の身体状況が術後に影響を及ぼすものの一つとして可動域が挙げられる。そこで今回,術前状態という点に着目し,変形性膝関節症例における前額面でのLaxityがTKA術後にどのような影響を及ぼすか調べ,術後における理学療法の留意点について考察したので報告する。
【対象】
2002年6月から2003年11月の15ヶ月間に外的要因のない変形性膝関節症により当院にてセメントレスおよびハイブリット人工膝関節置換術を施行した症例41例43膝関節(男性7名,平均年齢68.3歳,女性34名,平均年齢71.5歳)を対象とし,PCL温存群(25関節),切除群(18関節)に分類した。なお,手術は全例Depuy社のモービルベアリング型LCS人工膝関節システムを使用し,同一術者によって行われた。また,PCL温存・切除の選択は無作為に行った。術後は当院のプロトコールに沿って翌日より全荷重を許可した後療法を行った。
【方法】
術前,術後6ヶ月時に本研究に同意を得た症例に対し,それぞれ医師によりテロスを用いて非荷重で膝関節内・外反に150Nのストレスをかけたレントゲン撮影を行った。
【解析方法】
PCL温存,切除群それぞれの内・外反角度について術前と術後6ヶ月時の間でt-検定を用いて比較検討した。なお,有意水準は5%とし,検者内誤差は1度未満であった。
【結果】
PCL温存群では術前内反7.64度,外反1.2度,術後内反4.02度,外反3.58度でそれぞれ術前後間に有意差が認められた(内反;p=0.00000001,外反;p=0.00018)。PCL切除群では術前内反6.72度,外反1.94度,術後内反4.61度,外反3.67度でそれぞれ術前後間に有意差が認められた(内反;p=0.00355,外反;p=0.00066)。
【考察】
今回の研究で,変形性膝関節症例における前額面での術前Laxityは、TKA術後に影響しないことが明らかになり、術前状態よりも適切な手術手技等による要因が高いことが示唆された。松田ら(CORR 419,2004)にもあるように良好な臨床成績を得るための本デザインの至適角度は4度であると報告しており,このことを考慮すれば本症例は良好な臨床成績が期待できる。しかし,我々,理学療法士は術後,このように適切な前額面での静的支持機構が獲得されたことに対して,筋による動的支持機構は急速に改善しないことに注目する必要性が考えられる。そのため,除痛というTKAの最たる目的と供に術前の逸脱した状態で膝関節運動をしていたことを考慮し,患者毎の動的支持機構について機能評価や治療計画に留意することが重要であると考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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