理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 925
会議情報

骨・関節系理学療法
腰椎骨盤固定ベルト装着による立位姿勢変化
*西村 圭二北村 淳永原 美香白星 伸一木村 智子宇於崎 孝谷田 惣亮
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】第39回日本理学療法学術大会において,自作の腰椎骨盤固定ベルトを使用し生理的前彎位で端坐位を固定保持させたことによる坐圧中心点,坐圧分布の変化について検討した.その結果,ベルト装着直後から坐圧中心点を前方に偏位させることができ,脱ベルト直後,脱ベルト5分後でも前方に保持することが可能であった.そこで今回,腰椎骨盤固定ベルトを使用し,通常立位と脱ベルト後立位の姿勢変化(骨盤傾斜角度,重心前後偏位)について検討したので報告する.
【対象と方法】対象は健常成人10名(男性5名,女性5名,平均年齢23.6±2.2歳,平均身長166.8±8.7cm,平均体重59.2±9.1kg)で,立位において腰椎前彎減少,骨盤後傾位を呈しているものを被験者とした.測定肢位は股,膝90°屈曲位で足底を床面に接地する端坐位と,8cm幅で開脚し中心を舟状骨粗面に合わせた開眼両脚立位とし,上前腸骨棘と上後腸骨棘にマーカーを付けた.姿勢測定には,デジタルカメラを使用し,通常端坐位,立位,脱ベルト後端坐位,立位を撮影した.また,下肢荷重計(アニマ社製G-620)を使用し,通常立位と脱ベルト後立位の姿勢変化を計測した.計測に際しては,3m前方の指標を見るように指示した.まず,被験者の通常端坐位,立位を撮影し,通常立位の重心動揺を30秒間計測した.次に,骨盤軽度前傾位,腰椎生理的前彎位に保持させるように腰椎骨盤固定ベルトを装着し15分間固定した.その後,ベルトを外し端坐位および立位を撮影し,脱ベルト後立位の重心動揺を計測した.得られた結果から,通常端坐位,立位と脱ベルト後端坐位,脱ベルト後立位の骨盤傾斜角度,前後方向動揺平均中心変位を比較した.骨盤傾斜角度は,上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線と水平線とのなす角度を計測した.統計処理は対応のあるt検定を行い,危険率5%未満をもって有意とした.
【結果】骨盤傾斜角度は,通常端坐位-17.7±6.6°,脱ベルト後端坐位-4.3±8.5°と骨盤前方傾斜角度の増加が認められた(p<0.01).通常立位0.7±5.9°,脱ベルト後立位9.7±3.6°においても,骨盤前方傾斜角度の増加が認められた(p<0.01).前後方向動揺平均中心変位は,通常立位1.1±1.1cm,脱ベルト後立位2.4±0.8cmと前方への重心偏位量の増加が認められた(p<0.01).
【考察】腰椎骨盤固定ベルト装着により,生理的前彎位で端坐位を保持させた結果,脱ベルト後の端坐位および立位ともに骨盤を前方傾斜させることができた.また,脱ベルト後立位の重心を前方に偏位させることが可能となった.これは,端坐位でのベルト装着が上半身重心を前方に偏位させた胸椎制御によって骨盤前傾位,腰椎前彎位に矯正し,立位においてもこの姿勢が維持されたことが考えられた.これにより,坐位における上半身重心の前方偏位が立位での身体重心の前方偏位に影響を与えたことが示唆された.
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top