理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 939
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骨・関節系理学療法
外来RA患者におけるリハビリテーションの効果
―J-ARAMISデータの解析より―
*倉田 典和上辻 茂男山中 寿原 まさ子戸松 泰介鎌谷 直之
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抄録
【目的】最近の関節リウマチ(以下RA)の治療は、早期から十分に有効な抗リウマチ薬を使用し、積極的に関節破壊を予防することがエビデンスにより推奨され、また手術に関しても術後成績の安定等から推奨度は高い。しかしながら、リハビリテーション(以下リハビリ)においては、その効果に対する報告が少なく、推奨度は低い。そこで今回我々は、外来通院中のRA患者に対するリハビリの効果について検討を行ったので報告する。
【方法】当センターでは、通院中の外来RA患者に関する大規模な観察研究J-ARAMIS(Japanese Arthritis Rheumatism and Aging Medical Information System)を実施している。今回の検討では、第5回2002年10月から第6回2003年4月の調査期間にリハビリを外来通院(平均頻度1.2回/月)にて継続していたリハビリ有り群345名(男性38名,女性307名,平均年齢55.37±12.92歳)と、この間行っていなかったリハビリ無し群3373名(男性570名,女性2803名,平均年齢58.72±12.31歳)に分け、各群のHAQ、J-HAQ、CRPの変化量について検討した。解析は線形モデルを用いて、年齢、発症年齢、治療期間、薬投与の履歴、手術歴、骨折歴および性別の影響を取り除き、各群の分布の違いをMann-Whitney検定で検討した。
【結果】HAQ、J-HAQ、CRPの第5回から第6回への変化量は、リハビリ有り群と無し群の間に有意な差が見られた。(p<0.001)リハビリ有り群のHAQ、J-HAQの値は0付近に分布しており、QOLを維持している結果となった。一方リハビリ無し群では、正の値に分布しており、悪化傾向を示唆した結果となった。CRPは、リハビリ有り群で負の値、リハビリ無し群で0付近に分布しており、リハビリがCRPを改善する1つの要因であることを示す結果となった。
【考察とまとめ】当センターは外来施設で、リハビリを行っている患者の多くは4週に1回の診察通院時にリハビリも受診している。その為、リハビリの内容は機能訓練も行うが、主体は外来時の症状に合わせた生活指導や自主訓練の指導及び変更であり、必要に応じ作業療法士による各種スプリントやサポーターの作製等を行っている。今回の結果は、関節保護を考慮した生活指導や家庭で行える自主訓練の指導等が、QOLの維持に繋がり関節の負担軽減に作用し、CRPの改善をもたらしたと推測する。RAは全身性の炎症性疾患であり、罹患関節の部位や破壊の程度等その症状や障害は様々である。その為、リハビリも個々の患者に合わせた総合的な対応が望まれる。先行研究によれば、リハビリ及び患者教育は疼痛や筋力、QOLやADLの改善に効果が認められており、今回我々の行った調査においても、継続的にリハビリを行うことはQOLを維持し、炎症反応の改善にも有益であるという結果が得られた。今後もRA患者に対し、薬物療法や手術のみでなく、疾患の炎症を和らげ患者のQOLを維持していくために、リハビリを継続的に行うことの必要性が示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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