理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 966
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骨・関節系理学療法
投球時の足圧分布と下腿傾斜の関係について
*鵜飼 啓史川崎 秀和下川 円内藤 浩一
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キーワード: 投球, 足圧分布, 下腿傾斜
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抄録
【目的】
投球動作は運動連鎖が重要な役割を果たしており、体幹・下肢が上肢の運動に効率よく連鎖しなければ、肩や肘の障害を引き起こす一要因となることはよく知られている。しかし、投球動作には下肢の動きが重視されているにもかかわらず、足部についての報告はあまりなされていない。そのため、今回の研究では投球動作における足圧分布や足圧中心軌跡と下腿部の関係について検討した。

【方法】
健常社会人の軟式野球選手20名(平均年齢25.3±3.87歳 右投げ18名、左投げ2名)を対象とした。すべての対象者に対して研究の主旨と内容を説明し、同意を得た上で研究を実施した。
投球はWind upから行い、被験者には5m先に設置された的に向かって全力で10回投球させ、デジタルビデオカメラ(Sony社製)で撮影した。得られた画像を二次元動作解析システム(Anima社製 MA-1000)に取り込み、foot plantからBall release(BR)までの下腿傾斜変化量と足部の接地様式をみた。足圧の計測にはF-Scan(Nitta社製)を使用し、足部を前方と後方領域に分け、前方領域についてはさらに4区画に分けた。非軸足の足圧中心軌跡(COPL)のパターンを踵タイプ(H type)、踵・外側タイプ(HL type)、前足タイプ(AF type)の3タイプに分類し、下腿傾斜変化量と足部の接地様式を検討した。また、各領域の足圧値の体重比を足部全体の平均圧で除し(%FPP)、BR時での下腿傾斜角度との相関関係について検討した。統計処理には一元配置分散分析とPearsonの相関係数を用い、有意水準は5%未満とした。

【結果】
COPLパターンはH type :10%(2人)、HL type :60%(12人)、AF type:30%(6人)であった。足部の接地様式の内訳はH typeでは全例でStraight positionであり、HL typeではtoe in(10人)、out step(2人)であった。AF typeでは下腿傾斜変化量が有意に増加していた(P<0.05)。%FPPはBR時の下腿傾斜変化量と後方領域で負の相関が見られた(P<0.05、r=-0.294)。前方領域では外側に正の相関が見られた(P<0.01、r=0.416)。それ以外の区画には相関は見られなかった。

【考察】
COPLパターンや%FPPにおける特徴として、下腿傾斜変化量が小さいものほど足部後方領域に荷重圧が高く、大きくなるほど足部前方領域に荷重圧が高くなる傾向が見られた。
H type、HL type では外側への下腿傾斜が少ない傾向にあり、股関節での内転・内旋位をとりやすいため、後方に荷重圧がかかりやすいのではないかと推察された。
AF typeでは外側への下腿傾斜が大きくなるため、非軸足の体重移動が早く生じてしまい、障害を起こす可能性が示唆された。足圧分布や下腿傾斜を評価することは障害予防の一助になりうると考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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