理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1175
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内部障害系理学療法
成人造血幹細胞移植の動向と無菌室治療が筋力にもたらす影響について
*八並 光信, 上迫 道代, 小宮山 一樹, 高橋 友理子, 遠藤 敏, 石川 愛子, 里宇 明元, 正門 由久, 森 毅彦, 近藤 咲子, 渡邊 進
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キーワード: 成人, 造血幹細胞移植, 筋力
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抄録
【はじめに】我々は、2001年7月より造血幹細胞移植患者に対する理学療法を開始した。本研究は、2002年(以後、A群と略す)と2003年(以後、B群と略す)に造血幹細胞移植(以後、移植と略す)を受けた患者を比較し、移植の動向と理学療法上最も問題となる無菌室における低活動性がもたらす筋力への影響を検討した。
【方法】対象は、A群18名・B群34名の合計52名であった。内訳は、A群が男性13名(平均年齢33.9歳)、女性5名(平均年齢39歳)、B群が男性15名(平均年齢47.7歳)、女性19名(平均年齢39.6歳)であった。移植前後の下肢筋力評価は、三菱電機社製Strength Ergo240で測定した。移植前評価は、入院後1週間以内に測定した。移植後は、無菌室からPT室へ移行した日より1週間以内に測定した。無菌室の期間における病棟訓練は、A群が隔日、B群で毎日行った。両群とも、PT室の期間における訓練は毎日行った。なお、筋力の比較は、移植前後の2回評価できた対象者、A群18名中18名、B群34名中22名に関して解析した。
【結果】(1)造血幹細胞移植患者の動向-疾患内訳は、A群AML:9名・ALL:2名・CML:1名・ATLL:6名、B群AML:8名・ALL:5名・CML:3名・ATLL:4名・MDS:12名・MM:2名で、患者数の増加とMDSやMMといった多彩な臨床症状を示す疾患が加わった。年齢構成は、A群20代:8名・30代:1名・40代:6名・50代以上:3名、B群20代:6名・30代:6名・40代:11名・50代以上:11名で、特に50代以上の移植が増加した。移植のタイプは、A群で骨髄移植15名・末梢血移植3名に対して、B群で骨髄移植29名・臍帯血移植5名と臍帯血移植が増加した。移植後の1年以内の死亡率は、A群28%、B群24%であった。(2)移植前後の筋力の要因分析-移植後の下肢筋力平均トルク値の変化は、移植前と比較してA群-17%・B群-12%であった。また、年齢・訓練頻度・入院から移植までの期間・無菌室の期間・体重の減少量・前処置のタイプを独立変数、下肢のトルク比(移植後トルク/移植前トルク×100)を従属変数として、重回帰分析(前進ステップワイズ法)を行った。その結果、回帰方程式は、移植前後トルク比(%)=119.2+-0.44×無菌室の期間+-0.41×体重減少+-0.19×年齢(R=0.69、R2=0.43、P=0.00)となった。
【考察】原疾患の多様化に伴い臨床症状が複雑になり、臍帯血移植の増加が高年齢化と適応患者の拡大へつながることが予想された。筋力に関しては、訓練頻度の差が認められるものの、無菌室の期間と体重減少が大きく寄与している可能性が示唆された。すなわち、低活動性の時間短縮と栄養状態の改善が重要であると考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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