理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1174
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内部障害系理学療法
外来維持透析患者に対する運動療法の効果(第二報)
―%クレアチニン産生速度を指標として―
*吉見 徹, 三井 隆史, 政金 生人
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抄録
【目的】我々は第39回本学術大会において、透析患者に対する運動療法の効果を検討するため筋力や歩行速度などを測定し、等尺性筋力は向上したが握力、10m歩行速度、4分間歩行距離、Physiological Cost Indexでは明らかな変化は認められなかったことを報告した。このような結果から、身体機能面だけでなく血液生化学所見からも運動療法の効果を確認する必要もあるのではないかと考えた。透析患者の筋肉量や栄養状態の指標の一つに%クレアチニン産生速度(以下、%CGR)がある。本研究の目的は、運動療法の効果に関して%CGRを指標として検討することである。
【方法】被験者は当院にて週3回の外来維持透析を行っている患者のうち、体力低下予防を目的とした運動療法を行っている女性16名、男性4名である。なお、本研究に対して十分に説明し参加の同意を得た。運動療法開始時の年齢は61.0±10.0歳、透析年数は4.4±5.2年である。運動療法は週3回の透析開始前30分~1時間で実施した。運動療法の内容はブリッジ、SLR、腹筋、上肢挙上、立位ヒールレイズ、立ち座りなどの筋力トレーニング、エアロバイクなどである。負荷量は患者ごとに希望、身体機能などを考慮し、回数やセット数、重錘バンドなどで調整した。%CGRは毎月検査される血液生化学所見から新里らの式を用いて算出し、運動療法開始前月と運動療法開始6ヵ月後の値を採用した。統計学的解析は運動療法から離脱した患者を除いた女性12名、男性3名で対応のあるt検定を行い、危険率5%を有意水準とした。
【結果】運動療法開始前月が99.1±22.7%、運動療法開始6ヵ月後が107.6±14.1%で、6ヵ月後には有意に高い値を示した。
【考察】本研究の被験者のADLは全て自立しており、運動療法を行っている目的は身体機能や各種動作の改善よりも体力低下予防に重きが置かれていた。今回、このような被験者でも血液生化学所見上では変化があり運動療法の効果があることが示された。日本透析医学会統計調査委員会によると、透析患者の生命予後は%CGRと関係があり、%CGRが小さいほど死亡の可能性も高くなるとされている。また、栄養状態を維持することも透析治療上重要であるとされている。このように、運動療法は筋力や動作といった身体機能以外の点でも良い影響をもたらす可能性があり、透析患者に適用することは意義があるものと考えられる。今後は、より長期にわたって運動療法を実施し、運動強度、内容による効果の違いについても検討する必要があると考えられる。
【まとめ】透析患者に対して6ヶ月間の運動療法を行い、%CGRを指標としてその効果を検討した。運動療法開始前月に比して6ヵ月後は有意に高い値を示しており、血液生化学所見上でも運動療法の効果が認められた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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