理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1177
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内部障害系理学療法
運動強度の違いが酸化ストレスに与える影響
*後藤 力, 東 幸仁, 西岡 健司, 日域 大輔, 梅村 隆史, 上田 佳子, 吉栖 正生
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抄録
【目的】
 我々はこれまで運動が血管内皮機能に好影響を与えることを報告してきた。また、血管内皮機能の変化を運動強度別に検証を行った研究では低・高強度運動では有意な変化は認めなかったが、中強度での運動においてのみ血管内皮機能の有意な増加を認めた。血管内皮機能増強の機序として酸化ストレスの関与が考えられた。
今回、血管内皮機能におよぼす運動強度と酸化ストレスの関連を検討した。

【方法】
 対象は日常的な運動習慣のない健常な男性10名とした。なお被検者には充分な説明を行った後、了承を得て実験を行った。運動強度は最大酸素摂取量(Vo2max)測定により、用いた運動強度は、低強度(25%Vo2max)、中強度(50%Vo2max)、高強度(75%Vo2max)の3つの強度とした。それぞれの運動強度で3ヶ月間の運動を行い、運動施行前後において、酸化ストレスのマーカーとして8-Hydroxy-2'-deoxyguanosin(8-OHdG)とマロンジアルデヒドLDL(MDA-LDL)を指標とした。

【結果】
 高強度運動群では12週間の運動は8-OHdGの値を6.7±1.1ng/mLから 9.2±2.3ng/mL(p<0.05)へと有意に増加させた。他の2群では8-OHdGの値を有意に変化させなかったが、中強度運動群においては減少傾向が認められた。MDA-LDLにおいては、高強度運動群では12週間の運動は8-OHdGと同様に69.0±19.5U/Lから 82.4±21.5U/L(p<0.05)へと有意に増加させた。他の2群ではMDA-LDLの値を有意に変化させなかったが、中強度運動群においては減少傾向が認められた。

【結論】
 中強度での運動は酸化ストレスを軽減させる可能性が示唆された。これまでの我々の報告した中強度の運動による血管内皮機能増強作用は酸化ストレスの軽減を介した、一酸化窒素の不活性化抑制による機序を介していると考えられる。また、高強度運動は、酸化ストレスの増強をもたらし血管内皮機能に悪影響を及ぼす可能性が示唆された。
これらより運動を行う際には、その目的に応じて運動強度の設定には充分な配慮が必要と考えられる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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