理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1180
会議情報

内部障害系理学療法
健常高齢者における日常活動量経時変化の検討
*大平 雅美, 楊箸 隆哉, 木村 貞治, ゴー・アー チェン, 横川 吉晴, 百瀬 公人, 三好 圭, 神子嶋 誠, 赤羽 勝司, 齋藤 直人, 藤原 孝之
著者情報
キーワード: 高齢者, 活動量, 歩数
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】健康科学の分野では、歩行が健康に与えるプラスの影響が広く認められている。また、適切な日常生活活動量の維持が健康維持、疾病あるいはそれに由来する要介護予防に有効とする報告も散見される。しかし、それらは質問紙法による調査が多く、高齢者を対象とした報告も十分ではない。さらに、高齢者の一日平均歩数などの経年変化とその対応は今後の課題である。そこで、今回の研究では、日常生活の自立した高齢者を対象として、一日平均歩数と日常活動量の経年変化とその特徴について検討した。
【対象】有料老人ホーム在住の高齢者10名を対象とした。実施に当たり、対象者全員に本研究の目的・内容を説明し、同意を得た上で測定を実施した。年齢は70才から83才(平均77.2才)、身長は152cmから162cm(平均155.5cm)、体重は49kgから66kg(平均54.6kg)で(それぞれ最終測定日)、全例健康問題による日常生活の制限は無かった。
【方法】2002年12月から2004年9月までを評価期間とし、測定には生活習慣記録器(Lifecorder、スズケン製、以下Lifecorder)を用いた。測定開始前日、測定方法、注意事項などを説明した後、被検者が上前腸骨棘に可及的に近いベルト部位にLifecorderを装着出来ることを確認し、装着後に快適な速度で100歩の廊下歩行を行い、測定値との誤差が所定の範囲内にあることも確認した。測定期間は3週間とし、測定は期間中1年以上の間をおいて2回施行した。解析項目は一日の活動(ゆっくり歩行以上)時間の平均および最大(以下同様)、運動量、歩数などとし、睡眠時間以外の非装着時間が4時間を超える日は除いて解析した。統計処理にはSPSS11.0 for windowsを用いた。
【結果】1.被検者の一日平均活動時間は57.0±26.6(Mean±SD)分から51.6±23.6分、平均運動量は128.9±88.5kcalから107.0±56.3kcal、微小運動量は258.1±59.7kcalから246.9±33.6kcal、平均歩数は5367±2908歩から4820±2258歩へとそれぞれ減少したが有意ではなかった。2.それぞれの減少率は平均歩数4.0%<平均活動時間4.9%<平均運動量7.1%となり、歩数に比べ運動量の減少率が大きい傾向にあった。3.平均運動量と平均歩数、平均活動時間には有意な相関(それぞれr=0.96、r=0.88;p<0.01)が認められたが微小運動量(ゆっくり歩行以下)とは有意な相関は認められなかった。
【まとめ】有料老人ホーム在住の健常高齢者の日常生活活動量の減少(1年間)は、歩数を指標とした際には比較的軽度と推定されるが、平均運動量の減少はやや多く、アメリカスポーツ医学会の推奨する健康維持、疾病予防に必要な消費エネルギーを満たすためには、ゆっくり歩行以下の微小運動量にも注目する必要があることがうかがわれた。また、歩数が保たれていても、日常活動量が不足気味な高齢者においては、一日平均歩数のみによる日常活動量の経時的評価は活動量の減少を見逃す可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top