理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1181
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内部障害系理学療法
地域の高脂血症者に対する健康教室の効果
*山下 弘二, 李 相潤, 佐藤 秀一, 佐藤 秀紀, 藤田 修三
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抄録
【目的】高脂血症者に対する栄養指導や運動指導は多くの研究から有用性が認められている。本研究では地域の高脂血症者に対して健康教室を開催し,主に運動指導の効果から検討した。
【対象と方法】対象はK町の健診で高脂血症要指導者の中から無作為に介入群と非介入群各20名選び,5ヶ月後に検査ができた介入群15名(年齢58.5±7.7歳)と非介入群10名(年齢56.1±8.1歳)であった。介入群に対して健康教室を1ヶ月に1回行い,5ヶ月間継続した。健康教室ではシナリオ用いた問題解決型学習法(PBL)によって栄養面と運動面から健康意識を高め,栄養指導と運動指導を行った。運動指導ではウォーキングと体操を実技指導し,自宅で実施させた。さらに日常生活の活動量を計測するため,介入群に対してライフコーダーを貸し出し記録した。両群に対して行った調査項目は,Breslowらの健康関連ライフスタイル,健康関連QOL (SF-36),身体組成と筋量測定,全身持久力,動脈硬化測定(血圧脈波検査装置)であった。統計処理は,両群の初回と5ヶ月後の比較に対応のあるt検定を用い,介入群に対する指導前後4ヶ月間の日常活動量の変化ついては一元配置分散分析を用いた。有意水準は危険率5%未満とした。
【結果と考察】ライフスタイルの「総合点」は,介入群の初回と5ヶ月後とに有意な増加があり(p<0.01),非介入群では有意な差がなかった。特に介入群の「散歩の習慣」の項目は有意な増加があった(P<0.05)。これは介入群でウォーキングの習慣が定着したためと考えられる。SF-36について,介入群は「身体機能」と「身体の痛み」項目に有意な増加があった。非介入群では「全体的健康観」項目に有意な増加があった。介入群は対照群より身体の痛みについて改善し,活動体力(身体機能)の自己評価が向上したと考えられる。身体組成について,介入群は有意差があったのが体重(p<0.01),体脂肪率(p<0.01),内臓脂肪レベル(P<0.01)であった。非介入群も有意差があったのが体重(p<0.05)と体脂肪率(p<0.01)であった。両群の数値に改善があったことは,指導時期や非介入群の健康意識の変化が影響したと考えられる。動脈硬化度測定から,「足の血管の詰まり」は両群とも有意な差はなかったが,介入群の「血管の硬さ」が有意に低下していた(右P<0.01,左P<0.01)。全身持久力と筋量については両群とも有意な差とならなかった。介入群の日常活動量の調査にいて,一日の総エネルギー消費量,運動量の歩数の平均値は指導前と4ヶ月目とに有意な増加が認められた。歩数だけでなく,体操や速歩など動きの強い運動の指標となる運動量が増加していることは運動指導の効果と考えられる。しかし,一日の運動量と歩数は3ヶ月より4ヶ月目で若干であるが減少する傾向にあった。この原因としては,月1回の非監視型よる実施法であったため4ヶ月目で運動の動機づけが低下したとためとも考えられる。今後の課題は運動の動機づけを低下させないための工夫が必要である。
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© 2005 日本理学療法士協会
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