理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1187
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内部障害系理学療法
外来血液透析患者の移動動作能力の検討
*池ヶ谷 利浩, 向井 庸, 四十宮 公平, 阿部 夏織, 織田 厚, 磯崎 泰介, 片桐 伯真
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抄録
【目的】
 透析患者の平均年齢は毎年、高齢化が報告され、糖尿病性腎症も、わが国透析導入原疾患の第1位を占め、その割合が増加している。これらに伴う合併症やアミロイドによる骨関節障害は移動動作能力の低下を招き透析患者のADLを低下させている。また、透析患者の大腿骨頚部骨折の発生頻度は腎性骨異栄養症等による骨の脆弱化から一般者に比べ高いとされ、動作レベルの把握と対策の検討が必要である。今回、外来透析患者の移動動作能力について調査を行い、若干の知見を得たので報告する。

【対象と方法】
 外来通院中の歩行可能な血液透透析患者56名(男性30例、女性26例、平均年齢62.4±11.7歳、平均透析期間7.7年±5.4年)を対象とした。
 方法は武藤らの健脚度及び開眼片脚起立時間を測定し基準値と比較した。健脚度は、一般同年代の基準値との比較を行い、片脚起立時間は開眼で60秒を上限として測定し、左右脚の平均値について日本平衡医学会の基準値30秒を下回る割合を調査した。さらに、移動動作との関連が示される大腿四等筋筋力をアニマ社製ハンドヘルドダイナモメーターμTas MF-01を用いて測定し、トルク体重比(Nm/kg)を算定して山崎らの報告値と比較し、年齢及び透析期間との関連性について単相関を用いて検討した。

【結果】
 健脚度の40cm台昇降の結果から3段階の評価の内、『楽にできる。』と判定された割合は、男性65~69歳と女性59歳以下で基準値を上回ったが、その他の年齢層では下回っていた。また、10m歩行速度では、男性80歳以上を除いて基準値を下回っていた。さらに、最大一歩幅では、女性59歳以下を除いて低値を示した。片脚起立時間は基準値30秒未満のものが43名(76.8%)認められた。大腿四頭筋筋力は、階段を除く移動動作が安定して遂行可能なレベルとされる0.9 Nm/kg未満のものが11名(19.6%)に認められ、段昇降も含めた移動動作が安定して可能とされる1.2 Nm/kg未満は、21名(37.5%)に認められた。さらに、年齢及び透析期間との間で負の相関が認められた(各p<0.01)。

【考察】
 外来血液透析患者の移動動作能力について調査を行った。各検査から移動動作時の不安定性が考えられ、また、移動動作能力の一指標とされる大腿四頭筋の筋力は、年齢及び透析期間と負の相関が認められ、筋力からみた移動動作能力の低下と転倒の危険性は、年齢や透析期間との関連が示唆された。転倒による大腿骨頚部骨折はその後のADL低下や生存率の低下との関連が示され、転倒予防策の検討が必要である。外来透析時にリハビリテーション介入できる時間帯は限られており効果的な方法についての検討を進めたい。
〔本研究の一部は、(財)日本腎臓財団からの助成交付を受けた。(HKF03‐5)また、本文中の健脚度は登録商標(第4752854)である。〕
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© 2005 日本理学療法士協会
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