理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1216
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内部障害系理学療法
心臓リハビリテーションにおけるソーシャルサポートの検討
*廣瀬 真純高橋 哲也熊丸 めぐみ山田 宏美河野 裕治畦地 萌横澤 尊代櫻井 繁樹安達 仁金子 達夫大島 茂谷口 興一
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抄録
【背景】近年,欧米において心疾患患者の予後や,心臓リハビリテーション継続におけるソーシャルサポートの重要性に関する報告がなされてきている.ソーシャルサポートとは,同居家族や相談相手の存在,精神的サポートや日常生活を手助けしてくれる人の存在などを意味しており,患者の精神的安定をはかり,心臓リハビリテーションプログラムの効果的介入方法を考案するにあたり重要な意味をもっている.しかし,我が国の心臓リハビリテーション継続におけるソーシャルサポートの重要性については十分に検討されているとはいい難い.そこで,本研究では心疾患患者におけるソーシャルサポートの特徴やソーシャルサポートに関連する因子を検討した.
【対象】対象は,それぞれの心疾患に対する急性期治療が終了し,心臓リハビリテーションプログラムに登録された心疾患患者53例.対象の内訳は,男性38例,女性15例,平均年齢は,61.2 (30-77)歳,診断名は,狭心症22例,心筋梗塞12例,開心術後19例であった.
【方法】ソーシャルサポートの評価にはEnhancing Recovery in Coronary Heart Disease Social Support Inventory (ESSI)を用い,不安および抑うつの評価にはHospital Anxiety and Depression Scale (HADS)を用いた.身体活動能力はSpecific activity scale (SAS)を,また健康関連QOLはSF-36を用いて評価した.これらのアンケート調査は郵送法と面接法を用いて行った.ESSIと年齢,心肺運動負荷試験の結果,HADS,SAS,SF-36との相関関係はSpearmanの順位相関を用いて分析した.また,対象を心臓リハビリテーション参加群と心臓リハビリテーション脱落群,男女別,循環器内科と心臓血管外科などに群分けし,各群間のESSIはMann-WhitneyのU検定を用いて検討した.
【結果】ESSIとHADSの抑うつ得点との間に負の相関が認められた.また,ESSIとSF-36の体の痛み,日常役割(精神),心の健康との間に正の相関が認められた.一方,ESSIは心臓リハビリテーション参加群と脱落群,男女別,循環器内科と心臓血管外科それぞれにおいて統計学的な有意差は認められなかった.
【考察】今回の結果からは,ソーシャルサポートは我が国の心臓リハビリテーションプログラム参加に対する強い影響因子にはなっていないことが示された.しかし,ソーシャルサポートと抑うつ,SF-36のうち精神面や痛みに関連する下位尺度の得点との間に関連を認めたことから,心疾患患者に対する,精神面への介入にはソーシャルサポートも考慮にいれた対応が必要と考えられた.
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© 2005 日本理学療法士協会
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