抄録
【緒言】従来,当センターにおける心臓リハビリテーション(心リハ)は,術後離床,ADL自立を目的として,急性期を中心に医師,看護師が対応していた.今回心リハ施設基準取得に伴い,平成16年 6月より理学療法士(PT)主導型心リハが稼働したことを踏まえ,PT介入が開心術後患者および病棟看護師にどのような影響を及ぼしたかについてアンケート調査を実施したので報告する.
【心リハ状況】平成16年6月~10月において心リハ対象患者は59例,延べ491件実施している.心臓血管外科における開心術後患者は37例(冠動脈バイパス術後25例,弁置換術後7例,その他5例)であり延べ346件となっている.
【対象および方法】心臓血管外科病棟看護師25名に対し,質問紙法において1.心リハに対する興味,2.PT介入による心リハの必要性,3.心リハを受けた患者からの意見,4.PT介入による心リハの効果,5.どのような面で効果的か,6.看護業務への影響等についてアンケートを実施した.
【結果】回収率は92%(23名)であり,心臓血管外科病棟経験年数3.7年であった.1.心リハに対する興味について,「興味がある」91.3%(21名),2.PT介入による心リハの必要性について,「必要性がある」100%(23名),3.心リハを受けた患者からの意見について,「満足(肯定的)」87.0%(20名),「不満足(否定的)」4.3%(1名),「どちらでもない」8.7%(2名),4.PT介入による心リハの効果について,「効果的である」100%(23名),5.どのような面で効果的かについて,「運動機能」91.3%(21名),「精神面」87.0%(20名),「心肺機能」70.0%(16名),「リスク管理」30.4%(7名),「血糖コントロール」4.3%(1名),6.看護業務への影響について,「良い影響あり」91.3%(21名),「特に影響なし」8.7%(2名)であった.
【考察】今回のアンケート結果より,看護職の心リハに対する興味が非常に高いことが伺える.さらに心リハにおいてPT介入の必要性はすべての看護師が認めており「看護師だけでは心リハが十分に行えなかった」,「運動機能改善,筋力増強,ADL拡大において重要」,「早期にADL拡大が図られる」,「看護師だけで行うと時間的に厳しい」等の自由記載による意見もみられた.また,看護師が患者から聞いた意見では,「身体が楽になった」,「術後運動の目安がわかる」等の運動機能面や,「PTがつくので安心」,「自信がついた」,「PTが来て下さるのが楽しみ」といった精神面で多くみられる.PTの効果的介入が出来ているものと考える.しかし「日常生活以上に歩かされている」と感じている患者もいることから,PT的な説明を含め個々の状態に合わせた対応が今後重要になると考える.また,看護業務に対しても大きな問題がなく,良い影響がみられていることからも病棟ADL自立に向けた「看護師による心リハ」と下肢筋力および歩行耐久性向上を目標とした「PTによる心リハ」の両輪が,今後さらに協調して回るように構築していかなければならない.