理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 186
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生活環境支援系理学療法
要介護高齢者の運動機能評価の特徴
―同一居住地域の健康高齢者との比較から―
*重森 健太, 福崎 千穂, 大城 昌平
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抄録
【目的】本研究の目的は,要介護高齢者と,同一居住地域の健康高齢者との運動機能の相違を分析し,要介護高齢者の在宅生活支援について検討することである。
【対象および方法】対象は当施設入所者(以下,老健入所者)29名(男性6名,女性23名,平均年齢79.41±4.7歳),2)当施設通所リハビリテーション利用者(以下,通所リハ利用者)35名(男性6名,女性29名,平均年齢79.03±5.3歳),3)転倒予防教室に参加された同一居住地域の健康高齢者(以下,健康高齢者)31名(男性12名,女性19名,平均年齢78.03±5.3歳)である。抽出条件は1)独歩または杖使用にて歩行可能な者,2)測定者の指示が通る者とし,歩行に介助を要する,もしくは集中力が無いなど測定に支障をきたす者は対象から除外した。運動機能評価は10m全力歩行速度,最大一歩幅,30cm踏み台昇降回数,40cm台からの立ち上がり回数,片脚立位時間,3種類の高齢者用バランスボード上の立位保持能力,長座位体幹前屈の7項目で行なった。同時に家族構成,経済状態などの社会生活状況についても調査した。統計処理は,老健入所者群,通所リハ利用者群,健康高齢者群それぞれの社会生活背景及び運動機能評価項目の差の検定(分散分析もしくはKruskal-Wallis検定,およびその後の多重比較検定,χ2検定)を行い,次に介護保険サービス利用の因子を明らかにするために,対象者3分類(老健入所者群,通所リハ利用者群,健康高齢者群)を従属変数とし,性別,家族構成,住居形態,立地条件,原爆手帳の有無,および10m全力歩行速度,長座位体幹前屈を独立変数とした多項ロジスティック回帰分析を行った。
【結果および考察】介護度は老健入所者群が有意に高く(P<0.01),妥当な結果であった。家族構成は老健入所者群で複数世帯が有意に多く(P=0.02),また通所リハ利用者群,健康高齢者群では老夫婦世帯が多かった。介護度が高くなることで世帯数が増加していくが,介護度が高くなるにしたがって,家庭での介護が困難となり施設入所となると考えられた。運動機能評価の結果は,長座位体前屈以外の6項目で健康高齢者群よりも通所リハ利用者群,通所リハ利用者群よりも老健入所者群が有意に低値であった(それぞれP<0.01)。また,多項ロジスティック回帰分析では,10m全力歩行速度が有意であった(P<0.01)。このことから,要介護高齢者は同一居住地域の健康高齢者よりも運動能力が有意に低いことが示唆され,運動能力の維持・改善が在宅生活を支援していく上で重要な要因であろうと考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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