理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 774
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生活環境支援系理学療法
施設入所痴呆高齢者の転倒の特徴について
―痴呆スクリーニング評価、身体機能に注目して―
*三谷 健小松 泰喜上内 哲男田村 邦彦富樫 早美和田 恵笹原 英希高 淳治太田 恭平
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キーワード: 施設入所者, 痴呆, 転倒
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抄録
【目的】施設入所高齢者には、程度の差はあるものの痴呆症状が認められ、痴呆を有する高齢者の転倒、それに伴う骨折を予防することは社会的問題として重要である。転倒の要因には身体機能、精神機能などの内的要因の他、床材の工夫などの施設環境、職員の転倒に対する知識、意識の向上などの外的要因等多方面からの介入が必要である。そこで今回、施設入所痴呆高齢者(以下痴呆入所者)の基礎的データの蓄積、今後の施設としての取り組みを検討するために痴呆入所者の転倒についてその特徴について検討解析を行ったので報告する。
【対象】当法人関連の介護老人保健施設3施設、介護老人福祉施設1施設の入所者103名を対象とした。その内訳は、移動手段が歩行補助具使用者を含む自立または監視歩行者で、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(以下、HDS-R)20点以下の男性35名、女性68名である。
【方法】平成14年10月から平成15年9月の過去1年間の転倒歴を施設内で報告義務としている事故報告書より調査した。ただし転倒なしおよび1回転倒者はaccidental fallとして取り扱い非転倒群とし、それ以外を転倒群とした。2群間の測定・調査項目については、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(以下HDS-R)、通常歩行速度、歩数、左右開眼片足立ち、Timed up and go test(以下、TUG)、左右握力(酒井医療器社製 DYNAMO METER)、上肢反応時間、骨硬度(アロカ社AOS-100)、内服薬剤の種類および内服数を転倒群、非転倒群で比較検討を行った。統計解析は統計パッケージSPSS(Ver.11)を使用し、Mann-WhitneyのU検定、χ2検定を用いて比較検討を行った。
【結果】転倒群27名(男性8名、女性19名)、非転倒群76名(男性27名、女性49名)であり、転倒の内訳は、「なし」56名、「1回」20名、「2回以上」の複数回転倒者が27名であった。また、2群間の比較からHDS-Rについて有意差は認められなかったが、歩行速度、歩数、左右開眼片脚立ちにおいて有意差が認められた(P<0.05)。
【考察】痴呆入所者の転倒の特徴として痴呆に関してその関連要因を得ることはできなかったが、歩行能力が転倒に大きく影響を及ぼしている可能性があることが推察された。これまでは「痴呆=高転倒リスク」であったが、身体機能、特に歩行評価、歩行能力に対する取り組みが痴呆入所者にも重要であることが示唆された。しかし、スクリーニングだけでは痴呆が転倒に及ぼす影響を分析するためには不十分なため、今後は「痴呆」の質的な評価、特に問題行動について評価を行い、身体機能と併せて対策を検討していく必要性がある。
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© 2005 日本理学療法士協会
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