理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 790
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生活環境支援系理学療法
70歳以上要介護高齢者の運動機能の調査
*八月朔日 千秋荒益 志穂北見 知子今井 理恵斉藤 秀之宮本 昭彦伊佐地 隆土屋 滋小関 迪
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抄録
【目的】70歳以上の加齢による運動機能の特徴を把握することは、加齢による運動機能の低下を予防するためのリハビリテーション(以下、リハ)の実施の一助となり、高齢者が自立した生活をより長く継続していくことを支援出来るのではないかと考えた。そこで今回、70歳以上の要介護認定高齢者に対し運動機能評価を行い、年代別に比較し加齢に伴う運動機能の特徴を調査した。
【対象】当施設および関連介護老人保健施設の入所または通所リハ利用者のうち、歩行能力に影響する中枢神経系および整形外科的疾患を有さず、痴呆性老人の日常生活自立度でランク1・2に分類され、当調査の趣旨を理解し承諾を得られた70歳以上の要介護認定者36名とした。調査はヘルシンキ宣言を遵守している。
【方法】実施した運動機能評価は、握力、膝伸展筋力、開眼片脚立位時間、Functional Reach(以下、FR)、10m歩行時間、3m椅子間歩行(以下、3m歩行)の6項目とした。膝伸展筋力測定にはアニマ株式会社製等尺性筋力測定装置を用い、股・膝関節屈曲90度位における最大努力下での等尺性膝伸展筋力を測定した。握力、膝伸展筋力および開眼片脚立位時間は左右各2回測定し、左右それぞれの最高値の平均値を代表値とした。FR、10m歩行時間、3m歩行も2回測定し最高値を代表値とした。36名の対象者を70歳代(11名)、80歳代(14名)、90歳代(11名)の各年代に群分けし、分散分析およびFisher's PLSDを用い各年代間の各運動機能項目について有意水準5%として統計学的解析を行った。
【結果】運動機能評価6項目のなかで握力のみが各年代間で有意な差を認めた(F=8.0、p<0.01)。70歳代15.1±3.5kg、80歳代10.3±3.7kg、90歳代9.6±3.4kgであり、70歳代に比べ80歳代、90歳代は有意な握力低下を認めた(p<0.05)。開眼片脚立位時間、10m歩行時間、3m歩行においては年代による有意な差は認めないが、加齢による機能低下傾向は認めた。しかしながら、膝伸展筋力とFRは70歳代11.6±4.0kg、15.2±7.2cm、80歳代11.0±3.5kg、16.4±8.8cm、90歳代9.9±6.7kg、15.6±12.5cmと加齢による影響は少なかった。
【考察】今回の調査より、膝伸展筋力とFRが加齢による影響が少ないことが確認された。このことは、本調査の対象の多くが要介護1・2であったこと、介護老人保健施設での入所・通所リハ実施者であることが関与していると推測される。また、高齢者に対するリハとして膝伸展筋力とFRの向上を目的とした個々の運動機能練習が有効であることが示唆されるとともに、握力、開眼片脚立位時間、10m歩行時間、3m歩行の向上を目的としたリハが課題であることも示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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