抄録
【はじめに】老人保健施設は総合的ケアおよびリハを提供し、家庭復帰施設・在宅生活支援施設としての役割・機能を持っている。介護保険制度実施から5年目を迎え老健施設においても、対象者の重度化、家庭における介護力低下及び特別養護老人ホーム待機者の増加により家庭復帰率が低下しており、家庭復帰施設としての役割が失われつつある。そこで当施設は短期間でも家庭生活を経験してもらうために、長期入所が予測される方に対し、家庭生活をはさんだ間歇的な入所を試みており、間歇的利用者と呼んでいる。今回この間歇的利用者の状況を把握するために、以下の調査を行い検討したので報告する。
【方法】平成16年4~9月に退所した55名を対象(ショートステイを除く)1)年齢、2)要介護度、3)障害老人の日常生活自立度、4)痴呆老人の日常生活自立度、5)主介護者・家族関係、6)入所目的、7)退所時訪問(環境整備等)の有無、8)サービス併用の有無、9)居住地についてカルテ記録・聞き取りなどにより調査した。間歇的利用者とはこの期間内に2回以上入所しその間1回以上1週間以上の在宅生活を行った方とした。55名中間歇的利用者は38名、在宅生活継続者17名と上記の項目について比較検討した。
【結果】間歇的利用者と在宅生活継続者は順に1)平均86.5歳・82.0歳、2)平均2.61・2.35、3)A:36.8%・52.9%B:57.9%・41.2%C:5.3%・5.9%、4)無15.8%・29.4%軽度21.1%・35.3%中等度44.7%・23.5%重度18.4%・11.8%、5)主介護者が配偶者15.8%・41.2%、子供23.7%・11.8%、嫁60.5%・35.3%家族関係良好・普通75.3%・94.1%、悪い23.7%・5.9%、6)介護軽減・肩代わり両者100%、リハ7.9%・23.5%、7)73.7%・58.8%、8)両者100%、9)町内68.4%・58.9%であった。
【考察】在宅生活継続者は年齢・自立度・痴呆度ともに間歇的利用者と比べ、身体的介護が少なく介護者間と良好な関係から精神的負担も少ないため長期在宅生活が可能であると考える。間歇的利用者では重度の方もおり、退所時訪問での住環境の整備やサービス調整で介護負担軽減を図る必要が多い。介護負担軽減目的で入所利用されるため在宅生活中の介護負担が限界にならず、いつでも利用できる安心感・信頼感から在宅生活を継続するきっかけにもなる。入所生活を利用者と家族が在宅の具体的な生活をイメージできる場として提供していきたい。
【まとめ】当老健施設の間歇的利用者の傾向を調査した。在宅生活への自信が生まれより長期の在宅生活が可能になるよう個別の問題点を把握し、心身機能の回復を図るリハの提供・在宅生活への調整を行う必要がある。