理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1088
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生活環境支援系理学療法
当院回復期リハビリテーション病棟における「休日リハビリテーション」の取り組み
*山田 優子粂 ゆかり新美 佳子山田 陽子服部 友奈赤坂 佳美建木 良子森 奈美佳建木 健鈴木 重行
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抄録
【はじめに】
家庭復帰を実現したにもかかわらず、退院後の身体活動量低下により体力低下やADL低下をきたす患者が多いことを経験する。そこで自主トレーニングを早期に導入し、定着化を図ることが活動的な生活の支援に繋がるのではないかと考え、当院では平成17年7月より「休日リハビリテーション(以下休日リハ)」を導入した。今回はこの取り組みの紹介とともに休日リハに関するアンケート調査の結果について報告する。
【休日リハの概要】
休日リハとは、患者の運動習慣獲得を目的として土・日曜日に平日とは異なるプログラムを提供するものであり、患者を疾患や移乗移動動作能力別にグループ化し、グループ毎に設定されたプログラムを患者個々の状態に合わせて実施している。プログラムは疾患に対する理解、自己管理能力の獲得、移乗移動動作に必要な基礎的要素の向上を主目的としてそれぞれの疾患、動作能力に応じた内容を考慮している。そして、定期的に運動量、運動習得度と動作能力をチェック、プログラムの追加・修正、グループ変更を行っている。
【対象と方法】
当院回復期リハビリテーション病棟入院中の患者43名(整形外科疾患患者(以下整形群)24名、中枢性疾患患者(以下中枢群)19名)を対象にアンケートによる休日リハの満足度調査、運動の必要性・自主トレーニングに関する意識調査を実施した。
【結果】
整形群、中枢群の7割以上が「満足している・だいたい満足している」と答え、9割以上が退院後の自主トレーニング、運動継続の必要性を感じていた。そして、両群ともに約7割が自主トレーニングを実施しており、その内の約半数が日課として定着していると回答した。また、両群の4割が休日リハによって平日との違い、1週間のめりはりを感じると回答した。
【考察】
早期から一対一の対応による受身的な内容のみをリハビリテーションとして捉えないように配慮し、自主トレーニング指導を徹底すること、入院生活から平日と休日を区別することは自主トレーニングの習得・定着化、退院後生活へのスムースな移行に効果的であると思われる。今後は、休日リハプログラムの更なる充実化と退院後における運動継続性、身体機能やADL能力の追跡調査を進めていきたい。
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© 2006 日本理学療法士協会
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