理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 931
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教育・管理系理学療法
新入学生からみた理学療法の社会的側面
*武富 由雄幸田 利敬服部 裕子村田 幸司助川 明椎木 文枝成田 亜紀岩崎 仁美山根 学加原 牧子松本 尚子
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キーワード: 理学療法, 社会, 調査
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抄録

【目的】1983年「調査からみた理学療法の社会的側面」を臨床理学療法誌で発表、以来22年間、理学療法が社会にどのように認識されているかを探索するため、本校の新入学生に前回と同様の社会的側面に関するアンケート調査を行い、前回と今回の調査結果を比較検討したので報告する。【方法】対象者は本学理学療法学科昼夜間の平成17年度新入学生計76名(男47名、女29名)。年齢は18歳から21歳までが36%、最高年齢は39歳であった。調査の問は計34問。今回その内リハ医療と理学療法の社会的側面に関わる12問の回答結果と22年前に実施した調査の結果と対応、比較検討を加えた。【結果】設問毎の数値(比率・%)の前者は1983年時点、後者のそれは今回の時点で比較したものである。問「リハのことばを知った時代は」、中学28→34、高校52→25,大学7→11、今回は小学→4、社会人→23、他→3の回答の追加有。問「出身地でリハ医療の実践は」、十分2→16、まあまあ35→66、不十分63→18。問「わが国のリハの現状は」、満足が11→41、不満足が82→49。問「理学療法はどちらに重点がおかれているか」、医療73→80,福祉27→20。問「理学療法から思い浮かべた治療手段は」、運動療法41→48,物理療法40→48、ADL19→4。問「身分に関する法律があるのは」、知っていた43→50、知らなかった57→50。問「免許を得ても開業できない」、知っていた61→76,知らなかった39→24。問「全国の理学療法養成校数を」知っていた28→97、知らなかった72→3。問「養成校に専門学校と大学がある」、知っていた74→96、知らなかった26→4。問「PTの団体(協会)があることに」、知っていた41→41、知らなかった59→59。問「全国のPT士数は」、およそ知っていた16→7、知らなかった84→93、問「理学療法学科を志望した理由」、「医療職とし」て14→26、「自分の意志で」33→17、「一生の仕事で」29→3、他。【考察】リハの言葉の浸透とリハ医療の実践については社会に認められつつある。理学療法が運動療法に重点を置いた治療手段として、開業権を含めた身分(法律)、養成校類、免許獲得後の団体(協会)に関する情報についてはほぼ把握していた。新入学生は理学療法を一生の仕事・医療職として志を立てるまでに社会性を帯びていた。
【まとめ】前回と今回の調査の結果と比較して、比率は全体に増す傾向がみられた。理学療法士の身分が法的に確立され40年を経過した現在、全国で理学療法士の数は4万人にまで達しようしている。リハ医療の一翼を担う理学療法士が本調査からようやく社会的に認識を得るまでに発展してきたことを示唆された。

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© 2006 日本理学療法士協会
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