理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 166
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骨・関節系理学療法
汎用デジタルカメラによる前足部形状の3次元計測に関する研究
成田 大一佐川 貢一尾田 敦
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抄録
【はじめに】足部は3次元的な立体構造を呈しており,その全体構造,特に前足部を定量化することが難しく,アライメントの関連性を多変量解析することが困難である。立体構造の定量化には3次元計測が有効と考えるが,研究などで用いられている3次元計測は特別な設備を必要とし,一般的な普及は困難である。そこで本研究では設備によらず汎用のデジタルカメラを用いて前足部のアライメントを3次元計測することを目的として,3次元計測のアルゴリズムの考案と精度評価を行ったので報告する。
【方法】3次元計測方法として異なる3方向からの画像を用いたステレオ法を採用した。まず,3次元空間の点をデジタルカメラに投影するモデル化を行う際の各種パラメータを求める(キャリブレーション)ために,自作の各種色のついた3次元座標が既知の8個のマーカー(半径3mm)からなる校正装置を用意した。その校正装置の内部に対象物を設置し,そのマーカーと対象物がすべてデジタルカメラ(Fujifilm社製FinePix4900Z)の画像面に収まるように配置し,異なる3方向から撮影を行った。得られた3枚の画像はパソコンに読み込みCYBERNET社製ソフトウェアMATLBで解析を行った。解析は色の輝度情報を用いて各画像のマーカーの検出を行うと共に,各画像間の対象物をカーソルで指定して対応付けを行った。そしてキャリブレーションにより求められたパラメータと各画像間で対応付けられた対象物の画像上での座標を用いて対象物の3次元座標を算出した。その精度評価として,高さ方向の評価は校正装置の内部にネジ(ピッチ1.5mm)を取り付け,その上部に黒いマーカーを設置し,1/6回転(0.25mm上昇)毎に計6回,黒いマーカーの3次元計測を行い,実測値と比較した。最初の黒いマーカーの中心の高さは18.0mmである。また骨格模型の外反母趾角度をフットプリントから計測し,足幅をノギスで計測し3次元計測と比較した。
【結果】3次元計測では,黒いマーカーの最初の高さは18.02mmで1/6回転させる毎に18.24mm,18.41mm,18.91mm,18.97mm,19.00mm,19.45mmとなり,実測値との差の平均は-0.04±0.12mmで最大±0.25mmの誤差が生じる可能性があることがわかった。足幅の差は-1.1mm,外反母趾角度の差は0.6度であった。
【考察】マーカーの検出を輝度情報により行っているため,光の当て方や背景色により検出されない場合がある。またマーカー及び対象物のすべてが画像面に入っていなければならず,まだ制約条件が多い。しかし,精度的には前足部形状を把握することが可能であると考える。今後プログラムを再考すると共に対象者に対して実施していき,前足部の構造を定量化し,アライメントの関連性を多変量解析しようと考える。
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© 2008 日本理学療法士協会
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