理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 185
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骨・関節系理学療法
腰椎術後症例における外来理学療法長期化の要因とプログラム再考
唐澤 俊一青木 啓成関 悠一郎大峡 崇之村上 成道湯澤 洋平
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抄録
【目的】腰部脊柱管狭窄症(以下、LSCS)や腰椎変性すべり症により除圧術、腰椎後方固定術が施行された症例では、遺残する腰下肢症状などの要因で、外来理学療法(以下、PT)が長期化する症例が散見される。本研究の目的は、腰椎術後、外来PTが長期化する要因を調査し、PTプログラムを再考することである。
【方法】対象は2006年1月~2007年6月までに開窓術、後方固定術を施行、外来PTを継続した74症例(開窓術51例、後方固定術23例)、男性46例、女性28例、平均年齢67.7歳。外来PTは、医師・理学療法士・患者間の総合的な判断で、著しい支障なく日常生活が可能な状態で終了した。全症例のPT終了までの期間の平均値に標準偏差を加えた145.1日をCut off pointとして、以後継続した10例を長期化症例として要因を調査した。開窓術群と後方固定術群の2群に分け、年齢、除圧椎間数、手術時間、通院頻度、PT終了までの期間、腰下肢症状の経過、下肢筋力(MMT)、股関節可動域(屈曲、内旋、伸展)の変化を調査、比較検討した。また、PT終了後のX線変化、腰下肢症状の悪化症例の有無を調査した。
【結果】長期化症例は開窓5例、固定5例。要因は腰下肢痛持続4例(固定術4例)、著明な筋力低下2例(開窓術2例)、本人の希望2例(開窓1例、固定1例)、合併症(パーキンソン病)1例(開窓1例)、腰痛再発により再開1例(開窓術1例)。2群間比較では、年齢は開窓68.6±10.5歳、固定65.8±9.4歳、除圧椎間数は開窓1.9±0.9、固定1.8±1.0で有意差なし。通院頻度は両群で約80%が月1回。手術時間は開窓86.3±34.4分、固定218.8±54.0分、PT終了までの期間は、開窓70.9±67.2日、固定101.5±54.3日と固定術群で有意に長かった(p<0.05)。腰下肢症状の持続症例の割合は開窓0%、固定17.4%と固定術群で高い傾向を示した。両群とも下肢筋力は改善傾向を示し、股関節ROM(伸展:開窓 術前-0.9±8.4°術後3.8±5.1°、固定 術前-0.5±8.7、術後5.5±5.1°)は両群で有意に改善 (p<0.05)。PT終了後のXP変化では5例に隣接椎間変性、Pedicle screwの緩みなど認め、1例は再手術に至った。
【考察】外来PTの長期化症例は固定術後で多く、腰下肢痛などの遺残が主な要因であった。病態の重症度や手術時の展開範囲や圧迫時間の違いから、多裂筋など傍脊柱筋の病的変化などが腰下肢痛の遷延に関与していると考えられた。病態が強く関与するため、罹患期間の把握も必要と思われた。固定術後症例では、早期から胸椎、股関節可動性改善による不良肢位や動作方法の修正を進め、体幹筋や腰椎へ負荷軽減を図ると共に、基本動作を含めた生活指導が必要と考えられた。また、術後の傍脊柱筋の問題に配慮したアプローチを導入する必要性が見出された。
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© 2008 日本理学療法士協会
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