理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 937
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骨・関節系理学療法
後足部アラインメントと足関節底屈筋群の筋活動との関係
片脚カーフレイズにおける検討
野村 有里山内 仁大工谷 新一
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抄録
【目的】後足部アラインメントは、ランニングなど着地に関連するスポーツ障害の発生に関係している。本研究では、非荷重位と荷重位での後足部アラインメントの違いが片脚カーフレイズ保持中の下腿筋活動に与える影響について、表面筋電図を用いて検討した。

【対象と方法】対象は健常者25名(男性16名、女性9名、平均年齢24.9±3.8歳)の両下肢50肢とした。
まず後足部アラインメントを計測し、対象の群分けを行った。非荷重位で最大内反位と最大外反位のLeg-Heel Angle(下腿長軸と踵骨長軸のなす角:LHA )を計測し、後足部中間位を同定した(Seibel 1996)。次に自然立位でのLHAと中間位との差を算出し、平均値と標準偏差を求めた。平均値の1標準偏差内を中間群、内反方向に1標準偏差以上を内反群、外反方向を外反群とした。
本研究では運動課題として荷重点を第2・3趾間と規定した片脚カーフレイズ肢位3秒間保持とし、筋電図を後脛骨筋(TP)、ヒラメ筋(SOL)、腓腹筋内側頭(Gas-M)・腓腹筋外側頭(Gas-L)の4筋から3回記録した。得られた波形から各筋の筋電図積分値(IEMG)を求め、3回の平均値を算出し、自然立位保持でのIEMGで正規化し%IEMGを求め、後足部アラインメント別に各筋の筋活動を比較した。統計学的検討には、一元配置分散分析とBonferroniの多重比較検定を用いた。

【結果】対象は中間群で得られた36肢から無作為に7肢を抽出し、内反群・外反群・中間群それぞれ7肢に分類された。次に%IEMGの結果を以下に示す。TPでは外反群で内反群より有意に低い値を示した(p=0.00025)。Gas-Mでは内反群で中間群・外反群より有意に高い値を示した(p=0.012、p=0.015)。

【考察】TPで外反群が内反群より有意に低い値を示した要因は、外反群ではTPが伸張位にあるため課題における活動張力が発揮しにくい状態であったことが考えられた。次にGas-Mで内反群が中間群・外反群より有意に高い値を示した要因は、後足部内反が中足部の剛性を高め足部の可動性が制限され、課題の肢位をとるために多くの筋活動を要したと考えられた。また内反群では足関節底屈運動時に小趾側への荷重となりやすいが、今回課題として荷重点を第2・3趾間に規定したことで外反モーメントが生じ、TPとGas-Mが制動のために働いた可能性も挙げられた。
本研究より立位での後足部アラインメントが内反傾向にある場合、着地に関連する動作ではTPや Gas-Mの筋活動が増大し、それらの過用や障害が生じやすいと考えられた。
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© 2008 日本理学療法士協会
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