2023 年 29 巻 p. 605-610
安全な河川工事のため,河川の水位予測に降水予報を用いて必要なリードタイムを確保する事例が増えている.しかし,予報降水量は実測降水量に対する誤差が見受けられ,予報降水量が実際よりも過小であると予測水位も過小となり,出水を見逃す懸念がある.そこで本論では,水位予測における見逃しを減らすことを念頭に,メソ数値予報モデルGPV(MSM)の予報降水量の誤差分析を行い,その誤差を考慮した水位予測方法を検討した.誤差分析の結果,予報降水量が比較的少ない場合に過小となる割合が高く,かつ,誤差が大きい特徴が確認できた.また,誤差の分析結果から作成した補正量関数を用いて水位を予測することで,警報水位を超える出水の見逃し回数を低減する効果が得られた.本手法による空振り回数の上昇は軽微であったため,河川工事における出水の見逃し防止のための判断指標としての可能性が示された.