理学療法学Supplement
Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P3-433
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骨・関節系理学療法
平成20年度の群馬県における高校野球メディカルサポート
武井 健児桜井 進一猪股 伸晃福原 隆志中澤 理恵山路 雄彦坂本 雅昭富澤 渉
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抄録

【はじめに】
我々は平成14年度の全国高校野球選手権群馬県大会(以下,夏季大会)よりメディカルサポート(以下,サポート)を実施している.平成18年度からは,群馬県高等学校野球連盟(以下,県高野連)との連携により春季関東高校野球群馬県予選(以下,春季大会),秋季関東地区高校野球大会群馬県予選(以下,秋季大会)においてもサポートを開始した.本年度も春季,夏季,秋季大会の計3大会においてサポートを実施したので,その対応について報告し今後の課題について検討する.
【方法】
群馬スポーツリハビリテーション研究会を通じて,本県内の理学療法士(以下,PT)に参加を募った.例年は研究会から各施設に一部ずつ募集案内を配布したが,本年度は群馬県理学療法士会(以下,県士会)の配布物を利用し,個々のPTに対して募集案内の配布を行った.
春季・秋季大会は準々決勝以降,夏季大会は全試合においてサポートを実施した.サポート内容は,試合前のコンディショニング及び試合中の応急処置対応など,試合後のクーリングダウンとした.クーリングダウンに関しては,春季・秋季大会と夏季大会1~3回戦は高校からの要請があった場合に投手クーリングダウンを実施し,夏季大会4回戦以降は全チームを対象に投手及び野手に対してクーリングダウンを実施した.また,3大会終了後に年間活動のまとめとして反省会を実施した.
【結果】
3大会におけるサポートは,延べ22日間(春季4日間,夏季14日間,秋季4日間),35会場(春季4会場,夏季27会場,秋季4会場),80試合(春季7試合,夏季66試合,秋季7試合)で実施した.サポートに参加したPTは延べ99名(春季8名,夏季83名,秋季8名)であった.募集方法の変更による参加PT数に大きな変化はみられなかった.
対応は春季大会7件,夏季大会122件,秋季大会26件であり,延べ108名に155件の対応を行った.対応内容別件数では要請に応じて実施する投手クーリングダウンが34件,テーピング31件,クーリング・安静19件,ストレッチング15件,以下アイシング,傷害確認,止血処置の順であった.夏季大会4回戦以降のクーリングダウンは,投手は延べ28校73名,野手は延べ28校に実施した.
【考察】
昨年度より増加傾向にあった,要請に応じて実施する投手クーリングダウンが34件と最も多い結果となった.この結果から今までのサポートを通じ,我々PTの役割がコンディショニングや傷害予防についてのアドバイスを求められるように変化してきていることが考えられる.我々はテーピング等の応急処置の技術だけでなく,今後はこれまで以上にコンディショニングや傷害予防に対する知識,指導や説明能力の向上が必要になると考える.またアンケートや反省会を通して課題を整理し,スタッフ間の意思疎通を図り,県高野連との協力体制をより深めていきたいと考える.

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© 2009 日本理学療法士協会
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