理学療法学Supplement
Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P1-560
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教育・管理系理学療法
永生病院におけるリハビリスタッフ教育システムの紹介
―BSC,クリニカルラダー,成果主義人事制度の統合―
木野田 典保渡邉 要一
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抄録

【目的】
永生病院リハビリテーション部では、平成13年より成果主義人事制度を導入している.リハビリスタッフの考課はChallenge and Communication (以下C&Cシート)の見直しにより改善を図ってきたが,セラピストとしての資質や仕事に取り組む姿勢,リーダーシップや安全管理への意識など,多義にわたっての評価の必要性がでてきた.そこでクリニ,カルラダーを導入し,さらにバランススコアーカード(以下BSC)による永生会の戦略目標ともリンクさせた教育システムの構築を試みたので紹介する.

【方法】
成果主義人事制度で用いるC&Cシートを,スタッフ全員に同意を得た上で記述式アンケートを実施した.その中で評価してもらいたい項目などを取り入れ改訂した.次にC&Cシートを4つのジョブグレード別(トレーニー,アソシエート,シニアアソシエート,プロフェッショナル)に分けて作成し直した.また,C&Cシートの中の目標管理の項目に関して,永生会で取り入れているBSCにて立案される経営戦略目標を周知させ,その目標を自己のジョブグレードに照らし合わせての行動目標を各自で立案するという形に変更した.さらに,クリニカルラダーを導入し,各ジョブグレードごとに理想とするセラピスト像を提示し,それを達成するための研修などを整備し一覧にした.

【結果】
平成20年に行った職員満足度調査(無記名)では,平成19年に比べ業績結果と評価の項目で5.8%,人材育成・能力開発の項目で8.0%のスコアの改善をみた.
【考察】
クリニカルラダーの導入により,各ジョブグレードでどのようなセラピストを目指せばよいかという目標と,研修などのバックアップ体制,現在の自分の役割が明確になった.またBSCと連携することで,法人の目標を全員で達成していくという意識と,自分の置かれたジョブグレードで行うべき役割を明確にすることができた.

【まとめ】
永生病院のリハビリスタッフ教育システムを紹介した.BSC,C&Cシート,クリニカルラダーの連動は,リハビリスタッフの成長を促すために重要な教育システムと成り得ると考える.

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© 2009 日本理学療法士協会
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