理学療法学Supplement
Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
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一般演題 ポスター
筋萎縮性側索硬化症を呈した症例の為のスイッチの作成
─コミュニケーションツールの使用のために─
森井 志門
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p. Eb0610

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抄録
【はじめに、目的】 疾患により筋力低下を呈し動作が困難になった症例のコミュニケーションツールにパソコンを使用したものがあるが、それを操作するためのスイッチには様々な条件が求められる。そこで、着脱のしやすさ、安定性、筋力低下や拘縮の進行への適応能力を高めることに重点を置いてスイッチを作成した。【方法】 エレラクラフトシリーズNo165Aマイクロスイッチにステンレス線#22で柄をつけ、円柱状に成形したウレタンフォームのボディーに差し込んだ。ボディーにはベルクロテープを2本取り付けた。これにより、思い通りの形に曲がるボディーの先端に、さらに向きが自由に変わるスイッチが付く状態になり、そのボディーに固定用のベルクロテープを2本取り付けることで、利用者の使いやすい位置へのセッティングがより正確に、確実に、容易にできるように考慮した。使用に際しては、まず初めに症例の手の状態を把握し、取り付ける指の脱力状態の角度に合わせて大まかにボディーを曲げた。それをベルクロテープで固定し、さらに曲がり具合の微調整をして、最後に指とスイッチの間が1~2mmになるように調整するという手順をとった。【倫理的配慮、説明と同意】 本スイッチを使用する対象者に、内容を説明し同意を得た。【結果】 すぐにスイッチとしてスムースに使用することが出来た。どの指でも使用可能で、手をテーブルの上、大腿部の上、腹の上に置く等、どのような姿勢でも同様に使用可能であった。【考察】 コミュニケーションツールの使用に際し使いやすいスイッチは必要不可欠であり、様々な製品が開発されてきた。本品を症例に使用していただいたところ、パソコンのマウス等に比べ、スイッチ使用時の疲労が軽減したとの回答を得た。特に指の動作範囲が小さく抑えられたこと、脱力状態で待機できるためスイッチを間違って押さないよう力を入れて指を離す必要がないことが効果的であったと考える。また、どの指でも使えるため、特定の部位のオーバーワークの防止ができた。また、特定の部位の使用は拘縮を招く可能性があるが、その予防が期待できる。また、座位、臥位など、どのような姿勢でも使えるため、使用可能な時間、場所が増えた。さらに、家庭での使用では着脱、調整が容易であるために、介護者の負担軽減が期待される。【理学療法学研究としての意義】 介護者、非介護者双方にとって使いやすく、また比較的安価に製作でき、生活支援において有効であると考える。
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© 2012 公益社団法人 日本理学療法士協会
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