理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-14
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ポスター発表
転倒予防体操を継続した高齢者の身体的変化(第2報)
3年間の継続調査を用いての検討
河村 達也石黒 恵子黒田 麻子田中 和宏田邊 誠
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抄録
【はじめに、目的】当院は平成21年より兵庫県加古川市地域包括支援センターの介護予防事業への協力の中で身体機能評価、転倒予防体操の啓発を行っている。第47回日本理学療法学術大会において転倒予防体操を継続した高齢者の身体機能の変化(2年間の継続調査を用いての検討)について発表した。今回、更に1年後に継続調査と転倒予防体操の継続ができた15名の身体機能の変化について報告する。【方法】平成21年より身体機能評価を行った健康に関心のある加古川市在住の高齢者259名のうち3年間継続調査のできた15名を対象にロコモティブ・シンドロームの数値的指標となる運動器不安定症の評価基準(握力・Timed Up & Go (以下TUG)・開眼片脚起立)と顆間距離を用い変化について検討した。【倫理的配慮、説明と同意】対象者に研究の趣旨と内容について説明し、同意を得た上で行なった。【結果】参加者15名(男性6名、女性9名)、平均年齢72.9±4.3歳、平成21年握力(右)27.4±7.4kg、(左)25.3±7.9kg、TUG5.9±0.8秒、開眼片脚起立(右)48.5±44.9秒、(左)43.6±41.8秒、顆間距離(膝関節変形有)が8名。平成22年握力(右)29.5±7.5kg、(左)27.9±8.0kg、TUG5.9±0.8秒、開眼片脚起立(右)48.7±35.8秒、(左)33.4±37.6秒、顆間距離(膝関節変形有)が9名。平成23年握力(右)29.7±8.3kg、(左)28.0±8.8kg、TUG5.9±0.8秒、開眼片脚起立(右)68.3±45.1秒、(左)68.6±46.9秒、顆間距離(膝関節変形有)が10名。3年間を比較すると握力は改善53.3%、悪化46.7%。TUGは改善46.7%、悪化53.3%。開眼片脚起立は改善80%、不変6.7%、悪化13.3%。顆間距離(膝関節変形有)は2名が増加し33.3%が増悪した。【考察】前回の我々の報告では経年的変化について下肢機能の低下を過半数で認め、諸家と同様の結果となった。顆間距離(膝関節変形有)は約半数で膝変形が増悪した。握力はほとんどの例で改善しており、健康意識の高まりと予防によって高齢者においても筋力は増強できることを確認した。下肢筋力についても効果が期待できると考えた。今回3年間継続調査のできた15名において握力、TUGは約半数で改善した。開眼片脚起立は80%で改善した。これらから転倒予防体操を継続することによって低下を防ぎ、維持改善できると考える。下肢機能の経年的変化の中で高齢者の筋力は増強され、転倒予防体操の継続と日常生活での習慣的な運動が重要と再認識した。今後介護予防への継続した活動の中で日常生活での習慣的な運動の分析と転倒予防体操の啓発に努めたい。【理学療法学研究としての意義】下肢機能の経年的変化の中で高齢者の筋力は増強され、転倒予防体操の継続と日常生活での習慣的な運動が重要と再認識した。
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© 2013 日本理学療法士協会
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