理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: C-P-09
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ポスター発表
外側型変形性膝関節症に対する足底板治療の効果
アンケート調査と足底圧軌跡に着目して
竹本 陽一西本 章横山 恵子古見 信子森實 一美森中 茂秋山 重幸
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抄録
【はじめに、目的】第43回日本理学療法学術大会において内側型変形性膝関節症(以下膝OA)に対する足底板の効果を検証し報告した。外側型変形性膝関節症においても、同様に運動力学的に有効と考え、当院で作成した内側楔状足底板を患者に使用し効果を検証した。特徴として1.中足骨パッドをつけ、その内側にアーチサポートを設けている。2.周りに縁をつけることで、靴の中でのずれをなくし、矯正力を逃がさないようにしている。3.中足骨パッドの周りの前方と外側の部分を抜いてあり、段差をつけることで、足部の前外側部が入り込むようにし、距骨下関節が回外位を保つようにしてある。【方法】対象は骨折、関節リウマチ、骨系統疾患等に続発した例は除外し、当院で外側型膝OAと診断された女性7名(13膝であり、うち1名はwindswept deformity)、年齢は52~78歳(平均67.7歳)、装着期間は4か月~3年5か月(平均1年6か月)、Kellgren分類はIIが4膝、IIIが9膝であった。外側型膝OAの症例に対して、当院で作成した内側楔状足底板を装着させ、その前後でVAS,JKOM:Japanese Knee Osteoarthritis Measure(日本版変形性膝関節症患者機能評価表)での評価を行い、Welchの検定を行った。3症例に対して、足底板の装着の有無で足底圧を測定し分析を行った。【倫理的配慮、説明と同意】対象者に対して研究趣旨を十分に説明し、了解を得た後に足底板を使用してもらい、アンケート調査を行い、そのうち3症例に対して足底圧の測定を行った。【結果】100mmVASにおいては装着前で50.5±19.4、装着後で19.7±21.8であり有意差(P>0.05)があった。JKOMでは総合点においては装着前36.5±6.7、装着後で14.2±8.4で有意差(P>0.001)があった。項目別に着目しても階段昇降(P>0.01)や立ち上がり(P>0.01)、外出の項目(P>0.01)で有意差が見られた。足底圧の測定では、装着後に圧の軌跡は外側へ移動していた。【考察】Rodriguesらは動作時痛、安静時痛、機能障害が有意に改善し、膝外側角が内側楔状足底板の8週間の装着により有意に改善したと報告している。下肢の運動連鎖では距骨下関節が回外することで、下腿は外旋し、大腿骨も外旋し、脛骨よりも大腿骨の方が回旋量が大きいため、膝は内反を伴う。我々の考案した足底板では、足底接地の後、足底外側荷重に移行することで下肢を外旋位に誘導することにより、膝関節外側に偏った接触圧分布を分散できたと考える。膝の生理的な運動の獲得に伴い、疼痛が軽減し、VAS,JKOMへの好影響をもたらしたと考えられる。【理学療法学研究としての意義】足底板治療は副作用が少ない治療法の一つである。理学療法士の知識として運動力学や構造を知ることで、医師や義肢装具士と検討し、患者にあった足底板を作成することができ、患者の痛みを軽減したりQOL改善に貢献できるのではないだろうか。今後は症例数を増やし、症状や痛みの部位による変化を捉え、段差を調整し矯正力の強弱をつけたり、中足骨パッドの位置など変えて、歩容や動作への影響を検討していきたいと考える。
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© 2013 日本理学療法士協会
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