理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: A-O-12
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一般口述発表
開帳足のX線評価法と体表からの測定法の妥当性の検討
児玉 慎吾岩本 久生金澤 浩白川 泰山
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キーワード: 前足部横アーチ, X線, 妥当性
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抄録
【はじめに、目的】スポーツ現場で、第2 〜3 中足骨に疼痛を訴える選手に対し、足部アーチの保持をサポートするテーピングを行うと疼痛が軽減することを経験しており、中足骨の疼痛は横アーチと関係があると考えている。足部の内側縦アーチについては、X線評価である横倉法があり、簡易的測定方法として大久保によるアーチ高率の評価が用いられている。一方で、横アーチの低下と関係する開張足の程度を示す第1 第2 中足骨角(以下M1M2)、第1 第5 中足骨角(以下M1M5)のX線の評価法が一般的にあるが、臨床現場で測定できる評価方法は確立されていない。そこで今回、M1M2、M1M5 をX線で測定したものと体表から測定したものとの比較を行い、体表より測定した際の妥当性を検討することで、臨床現場で行える評価方法を確立することを本研究の目的とした。【方法】対象は健常成人男性9 名(年齢24.8 ± 2.0 歳、身長171.6 ± 4.5cm、体重66.3 ± 13.2kg)の18 足とした。X線での測定は、足部立位正面像を撮影し、撮影した画像を画像システム(ImageConcier、株式会社日立メディコ)を使用しM1M2、M1M5を求めた。撮影肢位は非荷重位、立位、片脚立位の3 条件とした。立位、片脚立位については直立位、前足部荷重(体幹・股、膝関節屈伸中間位で下腿を前傾させ、踵が地面から離れない程度に体重を前足部にかける)の2 条件を測定した。X線の入射角は15°とした。体表からの測定の撮影肢位はX線と同様、非荷重位、立位、片脚立位とし、立位、片脚立位については直立位、前足部荷重の2 条件を測定した。各肢位ごとで第1 中足骨頭・底、第2 中足骨頭・底、第5 中足骨頭・底の背側を触診し、マーカーを添付した。カメラ(EXILIM EX-Z55、CASIO)と地面の垂直線が成す角度をX線の入射角と同じ15°となるようにセットし、撮影した。撮影した画像を画像解析システム(ICpro、ヒューテック株式会社)にて解析し、M1M2、M1M5 を測定した。統計学的分析は、非荷重位、立位、片脚立位でX線の測定したM1M2、M1M5 と体表より測定したM1M2、M1M5 の関係をPearsonの相関係数を求めた。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】本研究はマッターホルンリハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号120013)。【結果】X線、体表から測定したM1M2 の平均値はそれぞれ、非荷重位5.8 ± 2.2°、5.8 ± 3.6°、立位(直立位)9.1 ± 3.0°、5.1 ± 3.6°、立位(前足部荷重)9.2 ± 1.9°、6.8 ± 4.3°、片脚立位(直立位)8.1 ± 2.2°、6.4 ± 3.9°、片脚立位(前足部荷重)8.5 ± 2.2°、7.7 ± 4.5° であった。X線、体表から測定したM1M5 の平均値はそれぞれ、非荷重位20.7 ± 3.4°、16.4 ± 5.2°、立位(直立位)24.0 ± 4.0°、15.3 ± 5.2°、立位(前足部荷重)24.2 ± 3.9°、17.8 ± 6.2°、片脚立位(直立位)25.4 ± 3.6°、18.7 ± 4.8°、片脚立位(前足部荷重)25.0 ± 3.9°、19.6 ± 5.8°であった。各肢位のX線と体表からの測定値の相関関係は、M1M2 では片脚立位(前足部荷重)のみr=0.49(p<0.05)と有意な相関関係を認めた。M1M5 ではすべての測定肢位で有意な正の相関関係を認めており、非荷重位r=0.60(p<0.01)、立位(直立位)r=0.55、立位(前足部荷重)r=0.53、片脚立位(直立位)r=0.50、片脚立位(前足部荷重)r=0.54(いずれもp<0.05)であった。【考察】X線と体表から測定したM1M2 では、片脚立位(前足部荷重)以外の肢位で有意な相関関係を認めなかったのは、第2 趾足根中足関節がmortise構造となっていることや、第2 中足骨底に突出部がないために触診が困難だったことが原因ではないかと考える。X線と体表から測定したM1M5 では、今回測定した非荷重位、立位、片脚立位(立位と片脚立位においては直立位と前足部荷重)の5 つの肢位で有意な正の相関関係を認め、X線と体表より測定した値の妥当性を明らかにすることができた。これは、第5 中足骨頭・底が比較的、触診しやすいためだと考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果より体表からM1M5 を測定することで開張足を臨床の現場で評価することが可能であることが示された。今後、足部のスポーツ障害と体表より測定したM1M5 の関係性を検討していく。
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© 2013 日本理学療法士協会
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