理学療法学Supplement
Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P1-0010
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生活習慣病予防に着目した兵庫県理学療法士会の公益事業について
本田 寛人井垣 誠永嶋 道浩米澤 有里谷口 勝茂元池 静香野島 友香山川 亮宮本 俊朗松村 勝宣浅井 剛三原 佳奈平山 昌男棏平 司
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抄録

【目的】兵庫県理学療法士会では,県民に対して生活習慣病の予防に向けた取り組みを行うことを目的として,2009年に健康増進部を発足させた。他団体の協力を得ながら活動を行い,柱となった3つの事業を報告する。【活動報告】1つ目は,阪神淡路大震災の復興支援住宅17か所で行われた兵庫県看護協会による「まちの保健室」において,県士会で約50名の協力員の体制を整え,1か所につき1~2名の理学療法士(以下PT)を派遣した。事業は月1回,各住宅の集会所で行われ,PTは居住者に対して集団体操の指導や個別的な健康相談を担当した。2つ目は,年2回開催される兵庫県看護協会のイベントに参画し,ハンドヘルドダイナモメーターを用いた膝伸展筋力測定,健康相談を行った。約250名の来客者に対して10名のPTで対応し,筋力値の説明と日常生活のアドバイスを行った。3つ目は,公立学校共済組合兵庫支部からの依頼により,教職員を対象にした「生活習慣病予防のための運動療法」をテーマとする講義を行った。県内数か所の会場にそれぞれ約100名の教職員の参加があった。【考察】「まちの保健室」では復興支援住宅に住む居住者は高齢化しており,また建物が高層であるために引きこもりがちになる人が多かった。月1回の介入であるので運動指導の効果は確認できないが,外出の頻度を増やし他の居住者との交流を深める機会を作れているものと考える。看護協会のイベントでは筋力測定を希望する人が多く,毎回行列ができていた。身体能力の数値化は誰もが興味を引くことであり,運動習慣を身につけるための強い動機づけになることを改めて感じた。教職員に対する講義では,退職が近い年齢層の人が多いため,退職後の生活における運動の重要性を強調した。【結論】生活習慣病予防の観点において「運動」をキーワードとした3つの事業を実施した。PTは本領域での公益事業において,十分に役割を果たすことができると考えられた。

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© 2015 日本理学療法士協会
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