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Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: O-RS-04-3

記事言語:

http://doi.org/10.14900/cjpt.2015.0758

口述演題
主催: 日本理学療法士協会
  • 抄録

【はじめに,目的】心肺持久力や呼吸機能の向上を目的とした呼吸筋トレーニングは安静時に呼吸負荷を加えるものが多く,身体運動と呼吸負荷を組み合わせたトレーニングはほとんど報告されていなかった。演者らは2011年に,新たな呼吸筋トレーニング方法として,身体運動に呼吸負荷を組み合わせたトレーニング(CBST;combined training with breathing resistance and sustained physical exertion)を実施し,心肺持久力向上の可能性を報告した。しかし,サンプルサイズが小さく,また呼吸筋耐久力の評価が行われていないという課題があげられたため,本研究では対象者数を増やし,呼吸筋耐久力評価を加えることで,効果をより詳細に検証することを目的とした。【方法】本報告に際して,先行研究の対象者9名のデータに8名を新たに加え,17名を解析対象とした(CBST群:男/女=3/6,21.2±2.8歳,呼吸負荷なしで身体運動を行うOST群:男/女=4/4,21.0±1.6歳)。CBST群は呼吸負荷のためにReBNA(パテントワークス社製)を使用した。ReBNAはバルブを通して換気することで呼吸抵抗が生じるマスクタイプデバイスである。2週間を1クールとして3クールとし,各対象者クール毎に目標心拍数を設定した(1クール:75%心拍予備(HRR),2クール:80%HRR,3クール:85%HRR)。エルゴメータ運動またはランニングを行って目標心拍数を30分間維持するトレーニングを,1週間に3回実施した。トレーニングの前(BL)と後(6W)で身体測定と肺機能検査,呼吸筋力測定,ramp負荷試験を実施した。今回加えた対象者では呼吸筋耐久力測定(Incremental Inspiratory Threshold Loading Test)も行った。統計手法は正規性の検定としてShapiro-Wilk test,各群内の比較にはPaired t-testまたはWilcoxon's signed-rank test,群間の比較にはStudent t-testまたはWilcoxon's testを使用した。【結果】トレーニングの実施率は97.4%(CBST群96.9%,OST群97.9%)だった。BLでは全項目で群間に有意差はみられなかった。VO2peakはCBST群ではBLで34.30±6.3 ml/min/kg,6Wで38.20±8.7 ml/min/kg,OST群ではBLで37.98±7.4 ml/min/kg,6Wで42.27±11.9 ml/min/kgだった。換気性作業閾値(VT)はCBST群ではBLで19.08±3.7 ml/min/kg,6Wで24.16±4.7 ml/min/kgであり,6Wで有意に高値を示した(p<.01)。BLと比較して6Wでは,Ppeak(peak inspiratory pressure)/PImaxはCBST群で11.38 cmH2O高値を示し,OST群で2.40 cmH2O低値を示した。Peak pressure-time index(PTIpeak)はCBST群で0.06 cmH2O高値を示し,OST群で0.08 cmH2O低値を示した。【結論】本研究結果ではCBST群でのみVTが有意に向上し,有酸素性運動能力の向上にCBSTが有用であることが示唆された。また,CBST群ではPpeak/PImax,PTIpeakが向上する傾向を示したため,CBSTが呼吸筋耐久力の向上効果を有する可能性を新たに提供している。

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