理学療法学Supplement
Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
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パネルディスカッション
勤労者世代を対象とした予防領域での他職種共同参画の模索と将来展望
道下 竜馬
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p. C-23

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抄録

 高齢化が進む我が国では,労働人口の減少によって生じる労働生産性の低下が企業の重要な課題となっており,近年では健康管理を経営課題として捉えてその実践を図ることで労働者の健康の保持・増進と企業の生産性向上を目指す「健康経営」の概念が普及している。最近では身体的な健康面だけではなくメンタルヘルス対策や長時間労働への取り組みを全社的に実施し,労働者の健康増進を図る企業が増加している。一方,健康運動指導士とは,公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する資格であり,スポーツクラブや保健所,病院などにおいて,健康増進や疾病予防・改善を目的に安全かつ適切な運動プログラムを考案・指導する専門家である。健康運動指導士は,厚生労働省が認定する健康増進施設のほか生活習慣病予防を中心とした特定健診・特定保健指導における運動指導や地域での介護予防,運動と食育を組み合わせたスポーツ栄養など運動・スポーツを中心とした予防分野で幅広く活躍している。

 近年の我が国の労働者は,メタボリックシンドロームやロコモティブシンドローム,メンタルヘルス不調,睡眠障害など多くの健康問題を抱えており,今後,企業における健康保持・増進活動を推進するにあたり,産業医のみならず保健師(看護師)や管理栄養士,理学療法士,健康運動指導士など多くの職種が共同参画して労働者の健康問題に関わることが重要と考えられる。本発表では,演者らがこれまでに企業で行ってきた健康保持・増進活動とその効果について,企業における健康運動指導士の役割について概説する。

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© 2019 日本理学療法士協会
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