理学療法学Supplement
Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: O4-6
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一般演題
学年別にみた高校サッカー部におけるスポーツ外傷・障害発生の特徴
比護 幸宏
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抄録

【はじめに,目的】

 高校サッカー部のスポーツ外傷・障害(以下傷害)に対し,学年に応じた予防的な介入は少なく,本研究では高校サッカー部に所属する生徒を対象にスポーツ傷害の状況を調査することで学年間の傷害発生の特徴を把握する目的で行なった。

【方法】

 対象は高校サッカー部に所属する男性189名である。集合質問紙調査を実施し,傷害の部位・受傷機転,準備運動の有無を質問し,1年生と3年生の各群の比較にχ2乗検定の独立性検定を行った。有意水準は5%とした。

【倫理的配慮】

 調査内容は個人を特定できないよう配慮した上で,学術集会で使用することがあることを説明し書面にて同意を得た。

【結果】

 受傷部位では股関節は1年生12%,2年生5%,3年生23%,膝関節は1年生26%,2年生25%,3年生18%,足関節は1年生29%,2年生35%,3年生18%であった。股関節の傷害は3年生で有意に多かった(p<0.05)。受傷機転に関して,接触による受傷が1年生で36%と有意に多かった(p<0.05)。練習のやりすぎによる障害を訴えた割合は3年生が33%と最も多かったが,有意差は認めなかった。準備運動は100%実施されていた。

【考察】

 下位学年では進学に伴う環境の変化や体格差が受傷機転に影響している可能性が考えられる。また週の練習時間が14時間を越えると傷害発生の件数は増加するとされており,試合を控える割合の高い上位学年では練習量のコントロールについても重要であると考えられる。

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