抄録
日本の一般的なフィルムコミッションはロケーション撮影を誘致する役割を担っている。大阪府の門真フィルムコミッション(以下、KFC)は、映画祭の開催、映画の制作、社会実験などの地域イベントへの参画等の取組みを行っている。本稿では、KFCの上記の取組みを把握し、映像を通じたまちづくりを行っていることを明らかにした。KFCは市民参加型映画を制作した。その映画への出演者およびその映画を観た鑑賞者へアンケート調査を行った。その結果、出演者や鑑賞者は、映画や地元に対して誇りや愛着の意識を持っていた。KFCの取組みは従来のフィルムコミッションでは見られない新しいまちづくりの形であり、市民のシビックプライドの形成に寄与していることが示唆された。