抄録
政府における産業集積政策が、紙パルプ産業集積に及ぼす効果を定量的かつ視覚的に把握する。具体的には、1900年以降の地域振興・産業集積政策を概観した後、本研究の対象政策であるクラスター政策について経営効果と創業効果を分析する。経済産業省「工業統計調査」の個票データを用いて、相関分析・DID分析を行う。経営効果を示す指標、創業効果を示す指標を被説明変数とし、説明変数はクラスター対象期間ダミーであり、その係数はクラスター事業参加の効果を示す。それぞれの分析モデルに仮説を設定し推定結果を導き、クラスター政策が紙パルプ産業集積に及ぼした経営効果を考察する。本研究の分析対象として、紙パルプ産業集積を取り扱う。