抄録
地域活性化を志向したアートイベントが各地で行われているが、どのような作品を制作すれば地域活性化につながるのか、具体的には示されていない。よって本研究では、成功事例である大地の芸術祭と瀬戸内国際芸術祭の出展作品270点を対象に、混合研究法を用いてその特徴を分析し、地域活性化に貢献し得る作品制作の在り方について考察した。まずフィールドワークによって作品の質的データを収集し、グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。そこから質的変数を定義し、コレスポンデンス分析を行った。双方の結果を統合し、対等な協働によって制作された作品は芸術性・公共性を両立させ、地域活性化に貢献し得ることが明らかになった。