抄録
超高齢社会の本格的な到来により、労働力不足、医療・介護費の増大が一段と深刻になっている。コミュニティの維持や人の結びつきも希薄になるなど社会資本の形成が困難になりつつある。こうした社会の一つの処方箋として、地域住民のウェルビーイング向上に貢献する観光創造を目指し、ヘルスツーリズムの原理を追求することを目的とした。つまり、ヘルスツーリズムがウェルビーイング向上に資する理論構造を明らかにする為、地域住民の幸福感の構造化を行ったものである。研究にあたっては社会マネジメントシステム学を用いて、地域住民(前期高齢者)のウェルビーイングのロジックモデル、交流に関する認知マップの図式化に取り組み、ヘルスツーリズムの導入のための来訪者との交流パターンの分類の成果を得た。