日本口蓋裂学会雑誌
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シンポジウムI
当科における口唇・口蓋裂治療の現況
―特に島嶼県における治療連携について―
新垣 敬一天願 俊泉砂川 元
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2013 年 38 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

当科は,2007年から口唇口蓋裂センターを設立し,当院全体で総合的に沖縄県における一貫治療施設としての役割を担っている。しかし,充実した診療体系を実施するには,当院が立地する沖縄本島内では実施可能であるが,離島地区においては手術やその後のフォローアップ体制が問題となってくる。そこで今回,当院の一貫治療を報告するとともに,離島地区,特に八重山地区との医療連携の問題点を具体化し,島嶼県の責務を考慮した一貫治療・連携について調査し,以下の結論を得た。
離島地区においての経済的・精神的負担の軽減と一貫治療を充実させる方策としては,患者と家族を支える総合病院,口腔外科専門歯科医,一般歯科専門歯科医,親の会,支援団体そしてこれらを支える口唇口蓋裂センターとの連携が不可欠であることが判った。さらにデジタル通信ネットを活用した遠隔医療の構築を急ぐ必要があり,これらの仕組みが全て揃うことが離島地区における一貫治療の充実を生み,成功への鍵になるものと考えられた。

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© 2013 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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