2017 年 42 巻 1 号 p. 27-34
【目的】顎顔面領域は,耳鼻咽喉科,形成外科,口腔外科が対象疾患を同じくすることが多く,各科の境界領域に関わる難症例や複数の科にまたがる疾患を治療することも少なくない。そこで当院では,診療科の壁を取り除いたより専門性の高い頭蓋顎顔面センターを立ち上げた。今回,頭蓋顎顔面センター開設後3年間の調査を行い,臨床統計的観察を行ったので報告する。
【方法】過去3年間の当院頭蓋顎顔面センターを受診した口唇口蓋裂患者180名の外来診療録をもとに次の項目について調査・検討を行った。
【結果および考察】過去3年間に当院頭蓋顎顔面センターを受診した患者は,一次症例よりも二次症例が多かった。治療内容としては口唇・外鼻形成術が多く認められた。また離島医療においても,当センター員および地元のサポート支援により定期的診療が可能となり沖縄本島と変わらないフォローアップ体制が整えられていた。