日本口蓋裂学会雑誌
Online ISSN : 2186-5701
Print ISSN : 0386-5185
ISSN-L : 0386-5185
症例
長期経過観察が可能であった両側性唇顎口蓋裂を伴うWolf-Hirschhorn Syndrome(4p-症候群)の1例
小橋 寛薫石濱 孝二磯村 恵美子原田 丈司青海 哲也古郷 幹彦
著者情報
ジャーナル 認証あり

2017 年 42 巻 1 号 p. 35-40

詳細
抄録
Wolf-Hirschhorn Syndrome(以下WHS)は1961年にCooperとHirschhorn,1965年にWolfによって報告された。4番染色体の短腕の末端部の欠失を原因としたものとして臨床的に知られている。特異顔貌,口唇裂・口蓋裂,先天的心疾患,骨格異常,発作などの特徴的な病変により,たいてい小児期に診断される。
われわれは,両側唇顎口蓋裂を伴い,当科にて長期経過観察を行っているWHS患者を経験したので報告する。患者は30歳女性で,両側性口唇裂に対して口唇形成および口蓋形成術を行った。気道閉塞を防ぐため,Pushback methodではなくvon Langenbeck methodを用いた。その後30年間経過観察を行っている。長期生存例では大きな心奇形がないと報告されているが,本症例では心奇形を認めた。心奇形を有する長期生存例はまれであり,嚥下性肺炎や感染性心内膜炎の予防という観点から,長期的な口腔管理の重要性が示唆される。
著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本口蓋裂学会
前の記事
feedback
Top