抄録
【目的】近年我々は,術前顎矯正を使用し,中間顎の位置矯正,鼻柱の伸展と鼻翼の矯正を術前に行うようになった。同時に我々は,その効果を口唇鼻形成に有効に反映させる術式として,Cuttingらの行っている方法に準じて,両側口唇鼻形成を行うようになった。手術数年後の患児の鼻の形状を計測し,従来行われてきた方法と,Cutting法とを比較検討した。
【対象】対象は24名(男児15名,女児9名)。10名はCutting法で行った群,14名はそれ以外の方法で行った群。
【方法】術後平均3年で写真を撮り,鼻尖までの高さ(Nasal Tip Projection),鼻柱の長さ(Columella Length),鼻翼基部間の距離(Nasal Width)を計測,そして,口唇と鼻柱のなす角(Nasolabial Angle)の角度計測を行った。
【結果】鼻尖までの高さ,鼻柱の長さ,鼻翼基部間の距離そして口唇と鼻柱の成す角,すべてでCutting法の群は従来の方法の群よりも有意によかった。
【まとめ】Cutting法はこれまで行ってきた方法よりも良い結果が得られていることがわかった。