日本口蓋裂学会雑誌
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症例
唇裂一次形成術によりQOLが向上した18トリソミーおよび13トリソミーの2例
廣田 友香上田 晃一荻野 真梨子大橋 剛輝
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2021 年 46 巻 3 号 p. 168-173

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抄録
18トリソミーおよび13トリソミー(以下18/13トリソミー)は重度の精神運動発達遅滞や多発する特徴的な身体異常所見に加え,様々な小児外科疾患を合併する染色体異常である。かつてはいずれの疾患群も非常に不良な生命予後から保存的治療を選択されてきたが,近年ではその自然歴が見直され外科的治療を含む積極的な治療を行い長期生存が可能となる症例が増えてきた。しかし未だ18/13トリソミーに対する定まった治療方針はなく,特に生命に関わらない合併症に対する治療に関しては報告も少ないのが現状である。今回われわれは2歳の13トリソミーと5歳の18トリソミーの患者に唇裂一次形成術を施行した。整容面で良好な結果が得られ,患児のQOLは改善し家族の満足が得られた。18/13トリソミーの重症度や合併症は症例ごとに異なり,診断,治療,退院後のケアなど,さまざまな状況で倫理的および社会的問題が発生するため,治療方針については依然として議論が尽きない。医療の進歩に伴い,今後長期生存症例における形成外科的治療への希望が増えることが予想される。生命に関わらない合併症の外科的治療の適応に関しては,合併症の種類や重症度,全身状態などの評価および家族の意向を十分に確認した上で患児のQOLを改善する最善の治療を行うことが肝要と考える。
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© 2021 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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