われわれは口唇裂口蓋裂児の学校環境に対する適応状態を把握するために,[教室][体青館][保健室][職員室][校庭][廊下][登校の道][下校の道]の8教育空間を選択して,これらの教育空間に対するイメージを23組の形容詞対を用いて検討した.
対象は口唇裂口蓋裂児50例(10-11歳)である.
結果;口唇裂口蓋裂児が開放感を認識していた空間は「職員室」と「保健室」であった.児童の主たる活動の場である[教室][体育館][校庭][廊下][登校の道][下校の道]では秩序感を認識していた.口唇裂口蓋裂児は学校では安心感や親和感が確立しておらず,十分な自己発揮と適応が難しいことが示唆された.