日本口蓋裂学会雑誌
Online ISSN : 2186-5701
Print ISSN : 0386-5185
ISSN-L : 0386-5185
口蓋形成術後に気道閉塞をきたしたCornelia de Lange症候群の1例
田中 美穂古川 雅英水城 春美松本 有史佐伯 真紀柳澤 繁孝
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 26 巻 1 号 p. 137-141

詳細
抄録

今回われわれは口蓋形成術後抜管後に気道閉塞をきたしたCornelia de Lange症候群(以下CDLSとする)の1例を経験したので若干の文献的考察と共にその臨床所見を報告する.本症例は1歳9か月の男児で,知的障害,成長発育遅延,特徴的な顔貌のほか多彩な合併奇形などを症状とし口蓋裂を伴ったCDLSと診断された.低体重,心房中隔欠損(ASD),反復する呼吸器感染症を認めたため,同症状が安定した5歳1か月時に口蓋形成術を施行した.喉頭口部の狭窄があり気管内挿管は困難で,術後に呼吸困難と気管支肺炎を合併し全身管理に苦慮したが,再挿管を行い抗菌剤投与により改善した.本症例のように挿管困難で呼吸器障害をくり返す場合,手術時期の決定が困難であり,より慎重な呼吸管理が必要である.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
前の記事 次の記事
feedback
Top