日本口蓋裂学会雑誌
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粘膜下口蓋裂患者の鼻咽腔閉鎖機能について
砂川 昌代新垣 敬一石川 拓仲間 錠嗣天願 俊泉牧志 祥子前川 隆子砂川 元
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2008 年 33 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

1985年から2003年までに当科を受診した粘膜下口蓋裂50例の鼻咽腔閉鎖機能について治療経過別に検討した.
1.性別は,男性24例(48.0%),女性26例(52.0%)であった.
2.年齢は,最少年齢が生後1カ月,最高年齢が29歳,平均年齢5.08歳であった.
3.主訴別内訳は,言葉の問題が30例(60.0%),口腔内精査希望15例(30.0%),手術希望3例(6.0%),矯正・補綴治療希望2例(4.0%)であった.
4.治療経過別内訳では,手術群27例(65.1%),非手術群14例(34.1%),その他9例(1.8%)であった.
5.手術群の術後(平均1年6カ月),鼻咽腔閉鎖機能成績は,良好・ほぼ良好症例を合わせた良好症例は70.4%であり,精神発達遅滞を伴わない症例では良好・ほぼ良好を合わせた症例が84.1%であった.精神発達遅滞を伴う症例8例では良好・ほぼ良好を合わせた症例が37.5%であった.
6.非手術群における観察または言語治療後の鼻咽腔閉鎖機能成績は,良好およびほぼ良好が92.8%であった.

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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