臨床神経学
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原著
若年性ミオクロニーてんかんにおける治療抵抗因子の検討
平野 嘉子小国 弘量大澤 真木子
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2008 年 48 巻 10 号 p. 727-732

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抄録

若年性ミオクロニーてんかん(JME)は正確な診断で発作抑制可能とされるが,一方で治療抵抗例も報告されている.今回,治療抵抗因子を検討した.対象と方法:当小児科で経過観察した47例を後方視的に分析した.結果:I群:治療反応良好群(N=33),II群:真性治療抵抗群(N=1),III群:偽性治療抵抗群(N=13)に分類された.II群はいかなる抗てんかん薬でも発作抑制困難,III群は初期治療に反応するが再発した.III群の治療抵抗因子は病識欠如による怠薬4例,心理社会学的要因9例であった.JMEの約30%は治療抵抗性であり,その多くは偽性治療抵抗群にふくまれた.教育・心理療法・環境整備で発作軽減・QOL向上が期待された.

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© 2008 日本神経学会
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