臨床神経学
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シンポジウム3:抗NMDA受容体抗体陽性脳症
シンポジウム3―4 抗NMDA受容体抗体陽性脳症 急性辺縁系脳炎・脳症とNMDA型グルタミン酸受容体
高橋 幸利山崎 悦子西村 成子角替 央野丹羽 憲司Josep Dalmau今井 克美藤原 建樹
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2008 年 48 巻 11 号 p. 926-929

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抄録
非傍腫瘍性非ヘルペス性急性辺縁系脳炎・脳症(NPNHALE)(成人69例+小児26例)と,卵巣奇形腫を合併する脳炎・脳症症例(NHAE-OT)(19例)を比較検討した.NHAE-OTの臨床特徴は,発病年齢,先行因子から脳炎発病までの日数,初発神経症状,急性期神経症状,髄液所見などの点で,成人のNPNHALEときわめてよく似ていることがわかり,卵巣奇形腫に合併する脳炎・脳症は,急性辺縁系脳炎の特徴を示すことがわかった.抗GluRε2抗体についても,共通性がみられ,両群とも高率に,NMDA型GluRのうちのGluRε2(NR2B)の細胞外ドメイン(N末)をエピトープとする自己抗体を有していた.
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© 2008 日本神経学会
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