症例は63歳男性である.47歳時に関節炎と皮膚潰瘍を発症し,血管炎をともなう慢性関節リウマチ(悪性関節リウマチ)と診断され,プレドニゾロンとシクロスポリンAの内服治療を受けていた.今回,頭痛,痙攣を主訴に来院し,リンパ球優位の髄液細胞数増多,頭部MRIで左大脳半球の脳表に限局した病変をみとめた.病変部位はFLAIR画像にて高信号を呈し,病変の一部は拡散強調画像でも高信号を呈した.ステロイドパルス療法をおこない,症候,検査所見とも改善した.リウマチ性髄膜炎はまれな疾患であるが,一側テント上に限局する軟膜病変を呈しやすく,本例ではFLAIR画像と拡散強調画像の併用が病変の経時的な評価に有用であった.