臨床神経学
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症例報告
脳室内抗真菌薬投与が奏効したCryptococcus gattii による脳および肺クリプトコッカス症の1例
堀内 一宏山田 萌美白井 慎一高橋 育子加納 崇裕金子 幸弘秋沢 宏次梅山 隆宮崎 義継矢部 一郎佐々木 秀直
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2012 年 52 巻 3 号 p. 166-171

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抄録

症例は37歳女性である.子宮頸癌術後,胸部CTにて腫瘤影をみとめ,クリプトコッカスを検出した.脳MRIで多発腫瘤影をみとめ脳,肺クリプトコッカス症と診断し,抗真菌薬を投与したが効果なく意識障害が出現した.抗真菌薬脳室内投与をおこない意識状態は改善,脳病変の縮小をみとめた.その後脳病変の再増大をみとめ,遅発性増悪と考えステロイドを投与し改善した.難治性経過のため菌株の同定検査をおこないCryptococcus gattii (VGI型)と判明した.C. gattii 感染症では強毒株による健常人症例も報告されている.難治性症例ではC. gattii の検索,ステロイド併用,脳室内投与をふくめた積極的な治療法を検討すべきである.

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© 2012 日本神経学会
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